表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

【2人の親友】

 バス停に着くと、妹は友達と合流して僕とは別行動になった。

 僕の友達はほとんどが別方向なため、いつも1人で登校している。

 僕らが乗っているこのバスはS.B.学園前行きのバス。

 うちの学園の前にあるバス停に停まるのだが、上級生になるほど学園前よりも一つ前のバス停で降りる人が多い。

 学園に近づくにつれて学園の生徒が乗ってくるため、1番乗ってくる人数が多いバス停で降りるのが最適だということを、もう9年以上この通学路を使って来ている身としては気がついた。

 他のクラスメイトや高校、大学生も僕くらいの時に気づいたため、今では中学生以上はだいたい一つ前で降りることが伝統になって来ていたりする。

 大学生になると、車などの免許を持っている人が多いためバスを使うこともほとんどないのだが。

 まあ、駐車場にも限界があるため、そこは空気を読んでバス通学している人が少なからずいるらしい。

「リツ!おはよ。」

「ああ、おはよ。イブキ。シュウもおはよ。」

「ん、おはよ。」

 彼らは僕の幼馴染のシュウこと如月紙優(きさらぎしゆう)とイブキこと暁月伊吹(あかつきいぶき)だ。

 2人は僕と知り合う前からずっと一緒にいるらしい。

 シュウはふわふわして可愛い系男子。

 本人は自覚してないことを装ってるけど、本当にモテる。

 もちろん装っているだけなので、自覚有りだ。

 本人に聞いたところ、自覚してない感じの方が告白を断りやすいらしい。

 イブキは控えめに笑う清楚系女子。

 本人は自覚していないが、裏でも表でもモテまくっている。もちろん、本人は自覚していない。

 イブキには昔からシュウというセコムがついていたため、ラブレターも貰ったことが無いんだとか。

 そのセコムに話を聞いたところ、イブキは可愛すぎるから僕が守っているとのこと。

 下駄箱に入っていたラブレターはどうしたのか聞いたところ、黒い笑みを浮かべて「ああ、あれ?ラブレターだったんだ。ゴミかと思って捨てちゃった。」と言っていた。

 結局はシュウが1番怖いと思う。うん。

 僕たちの共通点としてS.B.(株)と契約している会社、グループの次期社長候補、会長候補ということだ。

 シュウは如月グループ。イブキは暁月グループ。そして、僕は株式会社白鳥の候補だ。

 この3つのグループ、会社はそれぞれ主に音楽、デザイン、製造の分野で活躍している。

 この学園は一貫校なこともあり、ほとんどの人が昔馴染みなのだが、僕たちの場合は入学する前からの関係なため本当の幼馴染だ。

 こんな関係は学園内でも珍しいみたいだ。

「そういえば、どこの科受けるか決めた?」

「親の希望が大きいけど、やっぱり製造…営業系かな。」

「音楽系だと思う。」

「やっぱり会社の系統に合わせなきゃだよね。」

 これは知っている人は知っている話だが、成績優秀者はメインの学科とは別に複数の学科を受けられる。

 それを使えばある程度の学科は全て受けられる。

 このことを2人が知らないはずがない。

 メインの学科だけでもこの学園はかなり大変だ。

 それを複数受けるとなると本当に大変になるため、本命の学科を最優先に受けられるよう、絞っておくのだ。

「やっぱりデザイン系の学科を取るべきかな…」

 イブキがそんなことを呟いていると、チャイムが鳴った。

「やっばい!」

 僕たちは全速力で教室に向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ