プロローグ
誰もが知る言葉の中で最も大きいもの、それは宇宙。
そして宇宙は日々膨張している。
とはいえ、何の力のないのに膨張することはない。
膨張し続けるには何らかのエネルギーが必要だ。
そこで、必要であることが確実なエネルギーに対して名前を付けた。それが暗黒エネルギーである。
暗黒エネルギーは宇宙全体のおよそ70%を占めている。
くわえて、およそ25%は暗黒物質と呼ばれる重力あるが、光を通さず、反射もしない仮想上の物質がある。
人類は残りの5%しか知らない。
しかし、2100年初期。暗黒エネルギーの正体が徐々に判明しだした。
暗黒エネルギーは特殊な状況下、つまり特定の陣を描くことによりその力を発揮する。
火を噴く、水を出す、雷を落とすといったあらゆる現象を起こした。
人々は暗黒エネルギーに魔法のような力があることから暗黒エネルギーを魔力と呼んだ。
さらに暗黒物質は魔力の結晶体であることが判明した。
見ることはかなわないが確かに存在していた。
その魔力の結晶体が宇宙全体で大きな陣を描き、宇宙は膨張していたというわけだ。
2200年代になると暗黒エネルギーを使った超常現象、つまり魔法は生活に欠かせないものとなっていた。
その時にはもう世界各国で魔法の授業が組み込まれていた。日本も例外ではない。
中学生から使える者があらわれ、高校から本格的に魔法の授業が始まる。
ただ、魔法はある一定の基準を満たしていなければ使うことが出来ない。
魔法に関する知識と魔力との相性。
この2つがなければ魔法は使えない。
全人類の中で魔法が使える者は半分程度と言われている。
その中でも日常生活に魔法を取り入れることができるほど使えるのはわずかである。
しかし、魔力との相性は努力次第であげることができる。
だから、現在ほとんどの高校では魔力との相性をあげることに力を入れている。
そんな中、日本では魔力との相性をあげるのではなく、魔力の使い方を学び、今後の日本の魔法界を担っていく者を育てる高校が4つある。
その高校に入学するものは例外なくエリートだ。
学力、運動能力、魔力との相性、どれをとっても日本トップクラス。
そんな高校に魔法が使えないものがいるとは誰も思わない