はじめての転生からうまくいかなくてヤバい
俺は普通の高校生・・・いや普通というより中の下くらいだ。
友達は少ないが困るほどでもなく、打ち上げやカラオケには誘われないがヲタク友達とゲーセンに行く、イジメられてても人気者でもない、刺激はないがそこそこ楽しくやっていた。
ただ、一つ悩みがある。それは俺の名前が「木下 ナタデココ」だと言うことだ。
ある時、気が付いたら見覚えの無い和室にいた。記憶はあやふやだ。
「あれ?どこだここ?今日赤点補習あるんだけど!」
愚痴をこぼしながら周りを見渡してみる。ちゃぶ台以外の家具がない狭い部屋で生活感が全くない。
「へんな部屋だな」などとつぶやいていたらふすまが空いた。
「お!!マジで来たwすげえ!!」そんなことを言いながら入ってきたのはジャージ姿の髭の長いつるっぱげのお爺さんだ。二人分のお茶とかりんとうを持っている。
「えっと、その、あ、」俺がいつもどうりコミュ障を発動してるとお爺さんは「自己紹介が遅れたな!わしは仏!お前は死んだから異世界の子供に転生してもらうから!ヨロー!!」
「ちょ!ツッコミどころ多すぎ!」驚きと異世界という言葉への興味でコミュ障がぶっ飛んだ。
「まずこうゆうのって神様の仕事じゃないの?」それを聞いた仏はヘラヘラ笑い出した。
「は?神様とか非科学的なもん信じてるの?!うーけーるーwww」
「多方面に怒られそうな発言やめろ!!つーかホントに仏なの?ジャージだし和室だし。」
「信じてないな!ジャージなめんなよ、見してやろう!仏の力を」すると仏はふわふわと宙に浮きだした
「どうだ!みたかわしの力!!ちなみに少し前に日本にも使えるやつがいたぞ。おーむ真理教の奴だ!」
「怒られそうなこと言わないと気が済まないの!?でも仏なんだな信じるよ。そういえば俺の死因は?」
「まあ、茶でも飲みながら聞いてくれ。いやー帰る途中空から信じられないものが降ってきてね・・・」
「え?空から?飛行石持った女の子かw」お茶を飲みながら冗談半分で聞いてみる。
「いや、ロードローラー」思わずお茶を吹き出す
「お前はスタンド使いでも何でもないからなあ。ほれ、その時の写真」馬鹿馬鹿しいが証拠があっては信じるほかない。仕方なく無理やり納得することにした。質問を変えてみる
「で、なんで俺が選ばれたの?隠された才能でもあった?!」それを聞いた仏は笑いをこらえながら言う
「別にwただ目立つ死に方してて面白かったからw」
「適当かよ!!つーかなんで異世界にいくの?魔王でも倒すってか?」
「そんなのどうでもいいわwただの少子高齢化対策だよwwwで!行くの?それとも消滅?」さらっと出た消滅という言葉に少し驚く。
「つまんねえ理由だけどその二択なら転生するわ。」そういうと仏は嬉しそうに紙を取り出す。
「よし!手続きするから名前教えて!」とても嫌だったがしぶしぶ答える。
「・・・木下 ナタデココ」
次の瞬間狭い部屋は笑いに包まれ、俺ははじめて仏に殺意を感じた
11歳の姿で異世界の森に転生した俺はごねて仏に全ステータスを8倍にしてもらったのもあり、半日で街についた。仏が言うにはこの世界は魔法がある代わりに100年ほど文明が遅れているらしい。
街で「魔法も覚えたいなあ」と思いながらフラフラと冒険者ギルド的なものを探していると3人のチンピラに路地に引き込まれた。
「おいガキ!大人しくしとけよ!!傷がつくと値段が下がるからなあ!!」チンピラがナイフで脅す。
だが俺の身体能力は8倍、脅すチンピラの顎を殴り気絶させ、更に殴り掛かるもう一人のチンピラのパンチも軽くかわし、首を絞める。最後のチンピラは腰を抜かしたためゆっくりと近づいて胸ぐらをつかむ。
そして人を呼ぼうと目を離したその時!チンピラはリボルバーを取り出し俺の心臓を打ちぬいた!!
遠くなっていく意識の中「銃は違うじゃん!!」と心の中で叫んだ。
気が付くと見覚えがある和室にいた。
「おかえりナタデココ!」と、かりんとうを食べながら爆笑する仏にまたもや殺意が沸いた。
飽きるまでテキトーにやります