表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

65/129

第六十五話 直江と綾瀬のホラーゲーム

 さてさて。

 時はあれから数分後。

 現在、直江と綾瀬はホラーゲームをプレイ中……なのだが。


 ビクンっ!


 と、ちょうど身体を激しく揺らすのは綾瀬だ。

 なお、画面ではちょうど、ゾンビが部屋から突然出てきたところ。

 ようするにこれ。


「綾瀬、ひょっとして怖がって――」


「ないわ。わたしがこの程度で、怖がるとでも?」


 と、髪をふぁさっと、自信満々と言った様子の綾瀬。

 彼女はそのまま直江へと、言葉を続けてくる。


「さ、続きを始めましょ?」


「いや、まぁ……いいんですけど」


 言って、直江はプレイを継続。

 隣では綾瀬もプレイを継続。


 かちかち。

 ぽちぽち。


 画面上では直江と綾瀬の操作するキャラクター。

 二人の主人公が、ゾンビを撃ち倒しながら廊下を進んでいる。


(にしても、このゲームたいして怖くないな)


 さっきから、ゾンビの出方がワンパターンなのだ。

 扉から急に出て来たり、ゾンビの突然変異みたいなモンスター。

 そいつが、壁を突き破って出て来たり。


(ちょっとびっくりはするけど、こういう出方での恐怖なら、普通の映画でもたまにあるしね)


 さらに言うならば。

 やはり二人でやるホラーゲームは、謎の安心感がある。

 そのため、恐怖が薄れている感もあるに違いないが。


 などなど。

 直江がそんな事を考えたその時。


 件のモンスターが、再び現れる。

 今度は床からだ。


 モンスターは床を突き破り、綾瀬のキャラクター――その足をぎゅっと掴む。

 と、その時。


「きゃっ……!」


 と、直江の横から聞こえてくる可愛らしい声。

 いったい何事か。


 バッと、直江はそれが聞こえた方へ視線を向ける。

 するとそこに居たのは。


「どうしたのかしら?」


 と、ひょこりと首を傾げてくる綾瀬だ。

 彼女に変わった様子はない。


(今の声、綾瀬だと思ったんだけど……僕の気のせいかな?)


 綾瀬が操作しているキャラクターは、女性の主人公だ。

 ひょっとすると、その声と聴き間違えたのかもしれない。


(綾瀬も大丈夫そうだし、とりあえずプレイを続けよう)


 綾瀬はこのゲームを、直江とプレイするために買ってきたのだ。

 であるなら、その期待には応えてあげたい。


(僕はホラー苦手だけど、幸いこのゲームはたいして怖くないしね)


 …………。

 ………………。

 ……………………。


 とまぁ。

 そんな感じでプレイを継続したわけだが。


「ひぅ……っ」


 と、そんな綾瀬の声が聞こえてきたり。


「だ、大丈夫……わ、わたしはだいじょ――きゃっ!」


 と、そんな呪文が聞こえて来たり。

 しまいには。


 ビクンッ!

 ガタッ!


 と、コントローラーを落とす音が聞こえて来たり。

 直江はため息一つ、綾瀬へと言うのだった。


「あのさ、怖いなら無理してやらなくてもいいんじゃないかな?」


さて……いつも言ってることなのですが


面白かったら、この部分より更に下(広告の下あたり)から、マックス10ポイントまでの評価や感想できますので、してくれると参考になります。


また、続きを読みたいと思ったら、ブクマしてくれると励みになります。


ブクマとポイントはどちらも、作者が連載する活力になっています。

冗談抜きで、執筆するモチベーションに関わって来るレベルです。

すでにしてくれた方、本当にありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ