表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

64/129

第六十四話 直江は虎穴に入ってみる③

「ゲームをしましょう」


 と、言ってくるのは綾瀬だ。

 彼女はコントローラーを手に取ると、ささっとゲーム機とテレビを立ち上げ。

 その後、直江へと言葉を続けてくる。


「この前、二人プレイが出来るホラーゲームを買ったの。もちろん、直江と一緒にやるためよ」


「綾瀬って、ホラーゲームもやるんだね。FPS以外のゲームは、みんなと遊ぶ時しかやらないと思ってたよ」


「安心なさい。対戦ゲームだけがFPSじゃないわ。そもそも、一人称視点で射撃するゲームをFPSと――」


「要するに、一人称視点のホラーゲームなんですね」


「そういうこと、さすが直江」


 と、直江にコントローラーを渡してくる綾瀬。

 直江はそれを手に取った後、彼女へと言う。


「それで、どういう感じのホラーゲームなの? FPS好きな綾瀬が買ったってことは、逃げる系のではないんでしょ?」


「直江、本当にわたしの事をわかっているわね」


「ちょっ、あんまりくっつくとさ――」


 色々当たっている。

 しかもこの綾瀬の目。

 まるで獲物を狙う肉食獣の様な目だ。


 恐ろしい。


 などなど。

 直江がそんな事を考えている間にも。


「ゾンビを撃ち殺すホラーゲームよ」


 と、言ってくる綾瀬。

 彼女はそのまま、直江の目を見つめながら言ってくる。


「シューティング要素はもちろん、ホラー要素もすごいと評判のゲームなの」


「今更なんですけど……僕、あんまり怖いの苦手ですよ」


「知ってるわ。だからこそ、今日はホラーゲームを一緒にやるんだもの」


「え」


「直江、怖かったらいいのよ――わたしに抱き着いて来ても」


 なるほど。

 ただ二人でゲームなど。

 そんなのおかしいと、ずっと思っていたのだ。


 要するに綾瀬さん。

 自分から手を出すのは控えたから、直江から手を出させようと。

 そういう作戦に切り替えたわけだ。


(でもさ……ホラーゲーム怖くて、抱き着いて来る人なんていないでしょ)


 マンガじゃないんだから。

 直江はそんな事を考えたのち、綾瀬とのゲームプレイを始めるのだった。


本日の昼事から

新作『魔王と一緒に盗賊はじめました~救った人達に裏切られた勇者、スキル物質化スキルを使って復讐してみる~』を連載開始します。

よかったら、読んでくれると嬉しいです。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ