6/129
第六話 僕達私達の日常です(真)~イカれた愛に首輪の贈り物~②
「よかったら、雨が収まるまで上がっていく?」
と、綾瀬が言ってきてから数分後。
場所は綾瀬の家――リビング。
結局、直江は綾瀬の家で雨宿りをすることになっていた。
というのも。
(悪いから、一度は断ったんだけど……まさか半ば強引に連れ込まれるとは)
しかし、ありがたいことには変わりない。
これでビチョ濡れにならずに済むのだから。
なおかつ雨もすぐ止めば万々歳だ。
と、直江はそんなことを考えた後。
軽く周囲を見回す。
(ご両親はまだ帰ってきてないのかな? 綾瀬以外に人の気配がしないし……)
なお、当の綾瀬は――。
と、その時。
「直江、お待たせ。片付け終わったから、もう来ても大丈夫よ」
階段を降りる音と共に聞こえてくるのは、綾瀬の声だ。
彼女は直江の方までやってくると、そのまま続けてくる。
「せっかく女の子の家に上がったのだから、部屋にも行きたいでしょう?」
「いや……別にそんなこと考えてないですけど」
「こういう時は、恥ずかしがらなくていいのよ」
と、直江の手を握って来る綾瀬。
直江は半ば強引に、綾瀬の部屋へと連行されるのだった。