第四話 僕達私達の日常です(真)~漆黒の求道者~③
「まぁ、とにかく。じゃあ、僕もクロの趣味に付き合うよ。それでどうかな?」
「そ、それはつまり……一緒に世界を闇に落す手伝いをしてくれると!?」
と、かつてないテンションで言ってくるクロ。
直江はそんな彼女へと言う。
「は、え? まぁ、そういう――」
「直江さんが共犯に……たしかに、共犯者ならば裏切られる心配はないです」
言って、直江の手をがっと両手で包んで来るクロ。
彼女は瞳をキラキラ言葉を続けてくる。
「直江さん! 魔王クロが、直江さんを参謀に任命します……これから共に、世界と戦いましょう!」
「……ちなみに、それってなにするの?」
「えっと……えと……仲間を集めるんです! ケルベロスとか!」
「…………」
「じ、冗談ですよ! アレですよ、アレ!! 私がポーズを決めるので、直江さんが写真を取ったりとかですよ!」
本当に厄介なことになった。
けれどまぁ、クロの心配がなくなったのならなによりだ。
これで明日からもみんなと、普段通りの日常を送れる。
直江はそんなことを考える。
なんせ、この時の直江は知らなかったのだから。
直江の周囲には更なる爆弾があることを――そして、クロは大分まともな方だということを。