表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/129

第二十七話 直江、ゲームをしましょう?④

「ひぐっ……な、なお、え――わ、わたし、わたしただ……あんたのことが、好きで……っ、だ、だから――うっ、あ、あんたの傍に居たくて……ふ、不安でっ」


 と、言ってくるのは綾瀬だ。

 あれから、直江は綾瀬をずっと慰めているが、たいして泣き止んでくれない。

 故に直江は言葉をさらに続ける。


「部長、大丈夫ですよ。確かに『こいつやばい』と思いましたけど、嫌いにはなってませんから」


「綾瀬って呼んで」


「綾瀬のことは嫌いになってませんよ」


「どうして? あたっ、あたし……直江にバレて――」


「うーん」


 そういえば、どうしてだろうか。

 綾瀬の事を危険だとは思ったが、嫌いとは思わなかった。


(まさか僕、ドМなのかな)


 とまぁ、そんな訳はない。

 となると。


「多分、僕が綾瀬と仲良くしたいから……じゃないですかね?」


「直江、が?」


 と、視線を上げてくる綾瀬。

 直江はそんな彼女へと言う。


「綾瀬が僕のことをどう思っているとしても、綾瀬が本当はいい人なことを、僕は知ってますから」


「……好き」


「はい?」


「直江、ずっと隠していたけど……わたし、あんたが好きなの」


「…………」


 ずっと、隠していた?

 隠すとはいったい、どういう意味だったか。

 と、考えている間にも綾瀬は直江へ、言葉を続けてくる。


「わたし、これからいい子にする……ちょっとだけ」


「あ、ちょっとだけなんですね」


「だから、お願い直江……わたしのこと、捨てないで」


「当り前ですよ。これからもいつも通り、よろしくお願いします」


 と、まさにその時。

 感じたのは第三者の視線。

 同時。


「直江さん、その手錠……なるほど、変態プレイですか」


 聞こえてくるクロの声。

 彼女はジトっとした視線を残し、リターンして行ってしまうのだった。


「ちょっ! あ、綾瀬! この手錠早く外してくださいって!」


「直江……わたし、直江が欲しいわ。そして、わたしは直江のものになりたい」


 と、綾瀬さん。

 どうやら、直江の受難はまだまだ続くようだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ど直球告白されてるのに、ガンスルーして「当たり前じゃないですかこれからもいつも通りで」 ナチュラル鬼畜過ぎて草
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ