表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/129

第二十三話 狂愛へ至る小休止

「話は以上だ……それじゃあ、各自明日も元気に登校するように」


「起立! 礼!」


 と、クラス担任とクラス委員の定型文句。

 これはつまり、直江が恐れていた時間がついに来てしまった……ということだ。

 それは――。


(部活動の時間だ……うちの学校は全員部活に強制参加、そしてそれも授業の一環ってことになってるハードボイルド)


 つまり、まだ帰宅することは不可能。

 簡潔に言うと。


(綾瀬とのエンカウントが絶対に起きる……あぁ、体が重い)


 柚木の弁当、美味しかったな。

 白米のところに、海苔で『なーおえ!』って書いてあったの。

 アレには思わず笑った。


 ダメだ。


 現実逃避している場合じゃない。

 早く行動しなければ、手遅れになる。

 というのも。


(この時に備えて、秘策を考えておいたんだよね――綾瀬への対処法)


 簡単だ。

 二人きりにならなければいい。

 要するに。


 と、直江は考えた後。

 荷物をまとめて一人席を立つ。


 そして、柚木の席まで歩いていき。

 未だ荷物をまとめている柚木。そんな彼女へと言う。


「あのさ、柚木。今日。一緒に部室まで行かない?」


「誘ってくれるのか!? 嬉しい……けど、今日はだめだ。あたしは掃除当番なんだ! しかもトイレ! だから、結構時間かかる! 先に行っててくれ!」


「…………」


 一瞬一撃。

 直江が五時間以上かけ、必死に考えた秘策。

 それは粉みじんになったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ