第百三話 直江とクロは選んでみる
時はクロとの卓球が終わってから数分。
場所はゲームセンター一階。
「直江さん……大変です」
と、言ってくるのはクロだ。
彼女はどんよりした様子の表情で、直江へと言葉を続けてくる。
「き、筋肉痛です……筋肉痛になりました」
「え、早くない!?」
「私は運動すると、早めに来るんですよ……くっ、ヒナさんと遊ぶまで、私はまだ倒れるわけにはいかない!」
と、またもかっこいいポーズを取るクロ。
直江はここでふと思う。
(そういえば、次に誰のところに合流するか決めてなかったな)
しかし、先のクロの言葉で、だいたい候補は決まった。
故に、直江はクロへと言う。
「決めポーズしてるところ悪いんだけどさ。僕、次はヒナのところに行こうと思うんだけど――」
「いいと思います! そして、私も行きます!」
予想通りの反応だ。
クロには、どうみても体力残ってない。
(僕はこの後、綾瀬達のところも回る。それにクロを付き合わせたら、確実に体力崩壊するよね)
だからこそ、ヒナとクロを早めに合流させる。
そして、そのまま三人で遊んだ後。
クロだけヒナのところに残して、直江だけ先に進む。
クロはヒナの事を、妹のように大切にしてくれている。
そして、ヒナもなんだかんだで、クロの事を気に入っている。
さらにいうなら――。
(ヒナはああ見えて、かなり寂しがりだ。一人で残すより、クロと一緒に遊ばせてあげた方がイイよね)
となれば、さっさと合流だ。
ヒナは今も、寂しがっているに違いないのだから。
とまぁ、それから少し後。
やってきたのは射的コーナー。
そこには居た――。
「お嬢ちゃん、それ――男の人が使うゴムだよ!? お嬢ちゃん使わないよね!? しかもそれで、十箱目だよ!?」
困惑する射的コーナーの担当員さん。
そして。
「いい……いつかお兄に使ってもらうから――ヒナとするときに」
言って、射的用の銃を構え、トリガーを引く。
百発百中、スナイパーヒナが。
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『常勝魔王のやりなおし~俺はまだ一割も本気を出していないんだが~』
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この作品で文章力を鍛えられたおかげでもあります。
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