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プロローグ

「やはり、冒険の醍醐味のひとつは遺跡調査。未探索のところ。探索済みのところでも、冒険心をくすぶられる」

「いやあの、この状況でそんなことを言われても……」


 久しぶりに、アリーシャと二人でクエストを受けた。

 それは、未探索の遺跡調査。

 探索クエストだ。


 ヴィスターラでは、今でも未探索な遺跡やダンジョンが多く存在している。

 いや、そもそもダンジョンにいたっては、無限に増え続けると言われているため、完全調査は不可能だろう。

 神々が与えし試練の場。

 それがダンジョンだ。

 時々、遺跡からダンジョンへと繋がることもあり、油断はできない。


 探索クエストは、その名の通り探索をするクエストだ。

 依頼内容にある場所を探索し、何があったか何が起こったのか。それを冒険者達が、体験することでギルドや依頼者に報告をする。

 報酬は基本他のクエストよりも少ないが、場合によってはかなりの高額報酬を手に入れられるクエストでもある。


 それは遺跡やダンジョンなどで、宝を手に入れることができるからだ。

 依頼内容によっては、その遺跡の中にあるものを持ってきてくれや、遺跡の内部写真を撮ってきてくれというものもある。


 剣児達が受けたのは、遺跡の奥にあるものを確かめて欲しいというものだった。

 つまり、遺跡の奥へと進み写真を撮ってくるのだ。

 本当はヒミカを誘うつもりだったが、今日は予定があるとのことで気を利かせ誘わなかった。


「こんな状況でも、いやこんな状況だからこそ語るんだ」

「いやいやおかしいですよ!? もう死ぬところだったんですからね! それに、こんなにびしょびしょに……」


 現在、未探索の遺跡へ侵入した剣児達は地下水路らしき場所を進んでいる。

 侵入してすぐ、アリーシャが罠にかかってしまい巨大な岩に追われ、全力で逃げていると床がいきなりなくなりこの水路に落ちてしまった。

 光属性の魔法で辺りを照らしながら進んでいるのだが、中々上へとの道が見つからない状況だ。


「剣児さん。なんであの時岩を破壊してくれなかったんですか?」

「破壊するのは簡単だ。だが、ここはまだ未探索の遺跡。下手に壊すわけにはいかない。以外と周りの壁が脆そうだったからな。力を抑え岩だけを破壊しようとしても、少しの余波で崩れてしまう恐れもあったためやらなかった」

「……本音は?」


 真面目に答える剣児に対し、アリーシャは疑いの目で見詰め呟く。

 すると、小さく笑い。


「あのままの方が面白そうだったからだ!!」

「ですよねー」


 付き合いは、まだ浅いが剣児という存在に関して、少しずつ理解してきているアリーシャ。

 理解したと同時に、だんだんと慣れてきてしまっている自分にアリーシャはため息が漏れる。 


「やっぱり、こういう探索クエストって二人じゃ少なすぎると思うんですよ」

「確かに、そうだな。だが、あまり大人数で言ったとしても、さっきみたいに罠にかかればより危険度が増す。それゆえに、少人数でまずはどんなものがあるか、どんな罠があるのかを確認したうえで、大人数で再び探索に来る。それが一番安全な方法だろう。お?」


 地下水路に入って六分ほどが経ち、上への階段を発見。

 どうやら、地下水路もこれで終わりのようだ。


「ようやく、終わりみたいですね。早く、遺跡を調査して帰りましょう!」


 と、先に階段に足をかけるアリーシャだったが、剣児はふっと何もない壁を見詰める。


「どうしたんですか?」

「……」


 無言のまま、壁に手を触れ神眼を発動させる。

 ただの壁。

 だが、今の剣児の目には見える。この壁の奥には通路があり、適度に大きい部屋がある。その部屋の中央には棺のようなものがあり……。


「隠し通路か」

「え? 本当ですか?」

「ああ。これは」


 指先に魔力を集束させ、丁寧になぞるように壁を切り裂いていく。


「まさかこの奥にお宝が?」

「かもしれないな。棺らしいものが見えた。しかもその棺からは……魔力を感じだ」

「魔力がある棺ですか……もしかすると、古代の人達隠した魔力を帯びた道具かもしれませんね」

「とにかく、言って見ないことにはわからない。どうやら、部屋には結界が張られている。俺の神眼をもっても、全てが見えなかった」


 おそらく、その結界は神眼と同等の力を持ったもの。

 それほどの結界に護られている棺。

 いったい何がある? 剣児が先頭になり進むこと数十秒。

 鉄の扉が見えた。

 これもただの鉄の扉ではない。強力な魔力で封じられている。だが、これならばと剣児は神力を手に纏わせ結界を破壊する。


「いくぞ」

「は、はい」


 ギギギ……と重い音を鳴らし鉄の扉は開く。

 かなりの重量だ。

 普通に鍛えている程度の筋力で絶対開けることはできないだろう。結界を解除しても、更に試練がという感じだ。


「ありましたね、棺。サイズ的に、人一人が入りそうなですね」

「……アリーシャは、念のためここで待っていろ」

「了解です!」


 入り口付近にアリーシャを待機させ、剣児だけで棺へと近づいていく。

 機械的な棺だ。

 だが、魔力を注入する部分がある。おそらく、ここに触れ魔力を注入することで開くのだろうが。いったいどれだけの魔力を注入すればいいのか。


「どれだけだろうと関係ない。さあ、いったい何が入っているんだ。この俺に見せてみろ!!」


 注入部分に手を置き、一気に魔力を注入させた。

 刹那。

 ビー!! とアラーム音が響き渡る。


『膨大な魔力供給を確認。封印を解除します』


 白い冷気を放出させ、棺の蓋が開く。

 そして。


「銃か?」


 中に入っていたのは、機械な銃。

 剣児は、そのまま恐れることなく銃を握り締めた。


「何も起こりませんね」

「ああ。とにかく、この銃を持っていこう。そして、この場所を報告するぞ」

「わ、わかりました!」


 隠し部屋から謎の銃を手に入れた後、剣児とアリーシャは遺跡の調査を進めた後、ギルドへと報告した。

 後日、持ってきた銃と遺跡の調査が行われるらしい。

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