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※編集中※ ララノフの冒険者  作者: 紫水シズ
第二章〜ヴァル〜
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少年たち

 ヴァルの洞窟から出てきてしばらく経過して、ルイとグンタは湖へ、遠くの方ではミラがリアとヒズナの治療をしている。そしてトキとアキは……。


「トキくん!」


「な、なに……?」


 トキを呼ぶアキの顔はむくれている。アキが腹を立てるようなことをした覚えはなくともつい萎縮してしまうトキ。そしてアキはそんなトキをじっと見ながらも、時折後ろで治療をしている三人の方へ視線を流している。


「見てたでしょ……」


「はい……?」


「二人のお肌を、鼻の下伸ばして見てたんでしょ!」


 何を事かと思えば、服を溶かされ露わになったリアとヒズナの肌をいやらしい眼差しで見てたと言いたいらしい。それはトキも健全な男の子であるので、多少は見てしまっていたが状況が状況であったためにそんなつもりで見た覚えもなかった。それををしっかりとアキには説明をしたのだが、まだ納得がいかない様子でご立腹だ。まだなにかいい足りなさげではあったが、トキの背後からアキを呼ぶ声がしてそちらを見やった。


「アキちゃーん!ちょっと来てー!」


 声の主はミラだった。ミラがアキの名を呼ぶのは珍しい。というよりも今まで一度もなかったのではないだろうか。胡乱な視線を向けるトキだったが、純粋なアキはそんな素振りも見せずに立ち上がる。


「なんだろう。ちょっと行ってくるね。絶対こっちきちゃだめだよ!」


 念を押してミラのもとへ走っていった。胡乱な視線を向けられたのはミラではなくむしろトキの方であった。アキから解放されたトキに少女組とは逆方向から手招きする少年たちの姿が。ルイとグンタである。トキは手招きする二人のもとへ行った。どうやらトキがアキに解放されるのを待っていたらしい。


「やあトキくん」


「どうしたの?」


「ミラのやつが「男は近づくな……」とか言うからよ!俺らは害虫かっての!」


 少年たちの下卑た視線に少女たちはご立腹だったが、ミラに追い出されたルイもまたご立腹なのであった。グンタはそんなルイを放ったまま退屈そうに草をむしり取っていた。


「んでよ!どうせ俺ら男組は暇なんだし、上の湖にでも行かねえか!」


 ルイは自分に敵対心を持っているものだとトキは思っていたので少し驚いた。しかしちょうど退屈していたことだし探検も面白そうだということでトキも二人についていくことにした。そして遠回りをするように忌々しいスライム洞窟の丘を登ってしばらく──。


「あらかじめ調べておいた情報によるとこの辺りにきれいな湖が……お!見えたぞ!」


 ルイは一人でいつの間にかヴァル村の周辺について調べていたようだ。こういうところは素直に流石だと思った。ヴァルの周辺にヴァル湖と呼ばれる大きな湖があるらしい。先程まで潜っていた洞窟もヴァル湖の地下にできている洞窟だという。ルイいわく、その湖がヴァルの住民や村を訪れた人たちの人気スポットなのだそうだ。そして見えたのは周りを森で囲まれた大きな湖だった。池の反対側までは霧がかっていてよく見えない。湖を少し周ったところには動物たちが湖の水を飲む姿が覗える。湖の水は透き通っていてそこに住まう生物も多いようだ。


「結構でかいね。ミラたちも連れてくればよかったかな」


「ほっとけ。あいつが俺らを邪魔者扱いしたんだ」


「僕、村で釣り竿買ったんだけど」


 トキは持ってきていたバッグから携帯式の釣り竿を取り出し、組み立てた。それを見たルイが目を輝かせた。


「てめえ!いつの間に!ちょっと俺にもやらせろ!」


 キラキラと輝かせた目に押されてトキはルイに竿を貸してあげた。釣りをするだけならば特に問題はない。するとグンタも自分のカバンを漁りはじめた。


「実は俺も……買ってたんだ〜」


「んお!?お前もか!!よしこれで釣り大会するか!一番でかいやつ釣ったやつが優勝な!」


 盛り上がる三人はしばらく釣りを楽しみ、さらにテンションを上げたルイは池の中でも魚を追いかけたり魔法を使ったりと大はしゃぎしていた。そうして楽しい時間を過ごしていると、案外ルイとも気が合うかもしれないと思直すのだった。少年たちは時間が経つのも忘れる程夢中になっていた。

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