第1話 出会い
第1話です!
久しぶりの連載小説!
よろしくお願いします!
平凡な毎日を過ごす宏隆に運命の出会いが…!
午後6時、俺は改札口の前にいた。となりには大切な彼女がいる。帰宅する人で賑わう駅構内。俺はただただ彼女を見つめていた。
大学2年になった時、運命の出逢いを俺はした。それまでは平凡な大学生活を送っていた。
「また、宏隆サボりかよ。いい加減にしろよー」
そう言ってやってきたのは大学に入って最初に出来た友人の田仲 直哉だ。
「サボりじゃない。寝坊だ」
「お前…それは立派なサボりだぞ…」
いつも通り特に決まった話題もなく俺は直哉と話していた。話しているうちに何故かお互いの恋愛の話になっていた。
「そんなんだから宏隆はモテないんだよ」
ズバッと直哉が言う。彼女がいる直哉に言われると腹が立つ。
「俺がモテないのはどーでも良い。そんなことより、お前は彼女さんとどうなんだよ」
俺は言ってから、しまったと思った。直哉はよくぞ聞いてくれました!と言わんばかりにニコニコしている。俺は思わずため息をついた。直哉は彼女の話になると長い。
「心配ご無用! 俺と美歌はいつでもラブラブだからさ!」
直哉は堂々とそう言った。恥ずかしくもなく言われると何故かこっちが恥ずかしくなる。そんな俺の気持ちも知らず、直哉は話を続ける。
「この間もデートしてさ。ほんと美歌は可愛いんだよ! あんなに可愛い子いないぞ! それにさ…」
そんなにかよ、と心で思いながらも俺は直哉の話を聞いていた。それからも直哉の話はしばらく続いた。
「直哉ー帰るよ」
直哉の話が終わりかけた頃、直哉を呼ぶ声がした。俺は声のした方を見る。そこには一人の女の子が立っていた。女の子を確認した俺は直哉の方を見る。小さな子供がオモチャを買ってもらった時かのような嬉しそうに無邪気な笑顔で女の子を見ていた。
「今すぐ行くーじゃあな、宏隆! お先に」
直哉は俺にそう言ってルンルン気分で女の子のところに行く。女の子は俺に一礼して直哉と帰っていった。女の子は直哉の自慢の彼女である佐藤美歌だった。一人残された俺は少しだけボーッとして、何か思い立ったかのように立ち上がり帰ることにした。いつの間にか時間がかなり経っていたみたいで外は真っ暗になっていた。
ドンッ!
「きゃっ!」
「うわっ!」
教室を出ようとした時、ちょうど教室に入ろうとしてきた人とぶつかってしまった。俺は大丈夫だったが相手は床にペタンと座り込んでしまっている。
「大丈夫?」
俺はそう言って手を差しのべる。相手が俺の手をつかんで立ち上がった。
「あ…ありがとうございます」
ぶつかった相手は小柄な女の子だった。女の子は服をポンポンと数回叩いて俺をふと見上げた。俺も見ていたのでお互い見つめ合う感じになってしまい、気まずい雰囲気が流れる。それに耐えきれなかった俺はパッと目を反らした。俺の行動で女の子も気づいたのか恥ずかしそうに視線の方向を変えた。
「ご…ごめんなさい!」
「あ、いや謝らなくても…」
女の子は深々と頭を下げて少し離れた席に座った。俺は静かに教室を出て家に帰った。
読んでくださってありがとうございました!
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2話以降も頑張っていきますのでよろしくお願いします!
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