第1話 〜同じ時間を〜
久々の投稿
誰が読んでくれているかは知りませんが、書いていきます。
と言っても続くか分かりませんが
EFは人気スポーツだ。スポーツで専門校が出来るほどに。それと同時に危険なスポーツでもある。
炎が出せたり、銃を出せたりするということは、当然命の危険もある。実際は特殊な仕組みのエネルギーフィールドの中で行うから、身体への直接的なダメージはない。
ただし、それはEFのスキル(ピースから発生する様々な特殊能力のこと。火炎放射、瞬間移動など)におけるダメージは、だ。
つまり、直接の攻撃、パンチやキックそして実弾。それらの攻撃においてはケガだってするし、最悪の場合死ぬことだってある。
もちろん、実弾兵器の持ち込みなど禁止されてるし、持ってただけでも厳重注意じゃ済まないだろう。
とどのつまり、何が言いたいのかというと、EFは命の危険を伴うということ。俺が中学生までEFをやってなかったのは、興味が無いわけでは無く、そう禁止されていたからだ。
思い返してみれば、一度母にやってみたいと言ったような気がする。その時に、ひどく反対されたから、興味を無くしていた。そんなところだろうか。
しかし、例外もある。高校生になる前でも、才能が認められれば、特別に使用を許可される。つまり、そういうやつらの集まりということだ、Aクラスとは。
「・・・長いね」
「我慢しろ。校長先生の話が長いのなんて、全国共通のことだろう。もはや世界の理レベルだろ」
今現在、入学式の真っ只中。晴れてめでたくEF高校の生徒になった俺たちに、ありがたいお言葉を頂戴しているわけだが、如何せん話が長い。もうしょうがないことだが。
「けどやっぱり、つまんないよ」
「静かにしてろ」
俺たちはというと、Cクラス。ABCでのCクラスだ。一度言ったが、ただでさえ競争率が高いこの高校に、Cクラスでも受かっただけ凄いのだ。
必ずしも、この高校に入らなければ、いけないわけじゃない。ただし、特定の育成機関に入らなければいけないので、サポート面などから考えると、やはりこのEF高校がベストだと考えられる。
その育成機関の中には、中学生以下の子供たちもいる。先ほど言ったAクラスの連中の大体が所属していた。高校生になるまでは育成機関、その後はサービスのいいEF高校へ。そういう風に考える人が多いということだ。
「はあ〜やっと終わった〜」
隣で香織が伸びている。確かに長いが、仕方の無いことだろう。それよりも・・・
「確かに、相変わらず長いよな、話」
「ん?相変わらずって?」
「・・・校長先生という役職の人たちの、ということだ」
「あぁ〜そういうことね」
そう、相変わらず。何度聞いてもこの校長先生の話は長い。
例えそれが二回目の一年生として聞いたとしても。
あいつの言っていたことは、本当だったらしい。現に今、俺は二度目の、入学式で祝福される、という状況にある。
そう、つまり今俺は、過去に戻っているということ。
この景色、この騒がしさ、このやり取り、細かいところはよく覚えていないが、記憶の限り全て一致している。
過去に戻る。タイムスリップ。何はともあれそういうことだ。
「あ、同じクラスだね」
「あぁ、残念ながらな」
「・・・あ、そう」
そう、これも知っている。俺たちは4組。つまりCクラス。Aは1組、Bは2、3組、Cは4、5組といった風にだ。
入学式も終わり、それぞれ発表された学級に移動する。指定されたのは、窓際の後ろの方の席。授業中よく外の景色を見ていたっけ。
そこから見える景色っていうのは、頭の中に残っている景色と何も変わっていなくて、また実感する。
「今日から、このクラスを担当させてもらう吹田 陽だ。仲良くやっていこう」
初めて会った時の印象は、人が良さそう。別に熱血というわけではなく、かと言って投げやりなわけでもなく、程よい距離感。そんなイメージだったし、実際その通りだったと思う。
今俺が抱いている印象も、あの時と変わらない。
「それじゃあ、順番に自己紹介してもらおうかな」
その言葉も知っていたし、俺の名前からも分かるようにそのあとの言葉も知っていた。
「じゃあ・・・市条から」
「・・・市条一月です。特技と言えるものは無いですが、家事全般ある程度出来ます。趣味は、景色を眺めたり音楽を聴くことですかね。とりあえず一年よろしくお願いします」
そしてあの時と全く同じようにあいさつを済ませた。
感想等、待っています