結婚してください。
恋をしたことがない。
恋愛がわからない。
そんな私に恋を教えてくれたのは
同じく恋をしたことのないあなただった。
「結婚してください。」
「……は?」
「いらっしゃいませ~。」
「ねぇねぇ万里~、何買う~?」
私は学校から1分歩いてすぐのコンビニに来ていた。
「う~ん。このシュークリーム美味しそう。でも、このプリンも食べてみたい…。」
私が悩んでいると一緒に来ていた友人の千波が声を上げて、
「あ~~!!新作のプリンがある~~。私これにする!」
そういってプリンとさっき選んでいた紅茶を持ってレジに向かって行った。
まだ何を買うか決まっていない私は、デザートが並んだ棚を凝視し、
「新作もでている。私が来てない間に、こんなにも美味しそうなものがあるとは……。コンビニ、恐るべし。」
とブツブツつぶやいていた。
その間に、レジに行った千波が店員にプリンと紅茶を差しだし、
「これ、お願いしま~す。」
というと、店員が笑顔で
「はい!プリンが1点、紅茶が1点で、425円になります!」
と素早く対応した。
「は~い。500円でいい?」
「はい!75円のお返しです!」
またしても、笑顔で対応していた。
すると千波が店員の顔を見て、
「あれ?お兄さんイケメンだね~。高校生だよね?どこの高校?」
そういうと店員が、顔を真っ赤にして、
「そんな!イケメンだなんて…。」
と、恥ずかしいような、困ったような顔をしていった。
「本当、本当。かっこいいよ!」
「…ありがとございます///」
「高校はどこなの?」
「個人情報なのでいいません!」
「なによ~。ケチッ!!」
そう千波が言うと、その店員は、ハハッと笑い
「ありがとうございました!!」
とさっきの笑顔で言った。
「もう!じれったいんだから~。また来たとき聞くから!そのときは教えてね!万里~行くよ~!」
「うん。」
私は悩んだ末に選んだデザートを持って、さっきまで千波と話していた店員のところにいった。
「これお願いします。」
ドサッと店員の人にデザートを出す。