表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

名もない話

作者: 馬刺し

『ねぇ、いっしょにいてもいいの?ここにいてもいいの?』

 心の中で私はつぶやいた。

私は今部活中だ。ちなみに吹奏楽部である。楽器はサックス

私はおんなじ楽器で今目の前にいるこいつが好きだ。

「……聞いてんのか!!」

「っはい!!」

「きいてねぇだろ……」

いけない、違う事考えてた。

よく告白しなよと言われるが私はしない。

……少なくとも、今は。

コンクールがあった。

私のミスのせいで、

全国に行けなかった。

先輩や友達は「大丈夫だよ、悪くないよあんたは」

と、声をかけてくれる。

でも、私のせいだ。

私は知っている。私の好きなあいつは

先輩と一緒に全国いくのが夢だって事

でも、それをつぶしてしまった。

だから告白はしない。

今はひたすら練習して、せめて来年

全国に連れて行ってあげたい。

「練習しよっか…」

「ん、おう」


「そこ!!どっかでれんしゅうしてきて!!」

「はい…」

またおこられた。

ちらり、とあいつを目で見る。

歯を食いしばっていた。

「ごめんな」

「えっ?」

移動中にそんなことをあいつは言ってきた。

「俺がうまいことささえられれば言われなかったのに」

悔しそうなあいつの顔。

『いていいのかなここに』

ふと思ってしまった。

そして口に出してしまった。

「私みたいなやついなきゃよかったんだよね」

そうするとあいつはむきになって

「ちがう!そんなことない!」

「おまえにはお前のよさがある」

「……っ」

「ここにいていいのかな?あたし」

「あたりまえだ」

そしてまた、私たちの日常が始まった。

「ぜっったい私が全国連れてくから」

つぶやいてみた。

『そしたら…告白できる…かな…」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ