表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/18

1.宝探しタイム

初投稿作品です。

完全不定期の更新となる予定ですが、完結までがんばります!

なお、本作品は筆者が「昔作ろうとして挫折したRPGのシナリオ」を基にしていますので、ゲームのノベライズ作品風に仕上がればいいなぁ、などと思ってたりします。


では、本編どうぞ。

序章~旅立ち~


side ???

「そこで反省していろ!」


 尻餅をつく形になった俺の目の前で、頑丈な扉が閉じられる。直後に聞こえたがちゃり、という音はきっと鍵が閉められた音だろう。

 つまり俺は、閉じ込められたわけだ。


 わけだ。じゃねえ!

 いったい!どうして!こうなった!


~回想~


うちのメイド|(以下メ)「きゃああああ!」

親父|(以下父)「どうした!」

メ「旦那様!厨房に怪しい影が!」

父「何だと?よし、わしが行こう!」


父「何者じゃ!」

俺「ふへ?(がぶがぶ)」

父「・・・・・・。」

俺「・・・・・・。(もぐもぐ)」

父「お~ま~え~と~い~う~や~つ~わ~!!」

俺「あ、あの、親父?(ごっくん)」

父「何をしとるかーーー!!」


~回想終了~


 うん、原因判明(つまみぐい)

 いや、ね?ほら、年頃の男子ってのは他人より腹が減る生き物なのですよ?それがあんな程度の昼飯で足りるわけが・・・ねえ?


「しっかしあれだね。つまみ食い程度で物置送りとは・・・親父も古いね。」


 誰に、というわけではないがごちてみる。

 べつに俺には電波受信機能なんてついてないぞ?・・・たぶん。


「その分だと反省してなさそうだな、マテウス。」


 な?!何処からか声が!!

 べ、別に俺は怪電波なんて受信できないぞ?それとも、まさか・・・?くそう、俺は電波じゃない俺は電波じゃない俺は電波じゃない俺は・・・あだっ!

 はい、頭に何か当たりました。いえ、当てられました。石を。


「こっちだこっち!何を幽霊としゃべっとる!」


 ふと俺が斜め上を向くと、そこには見慣れた顔が。天窓・・・って程も高くはないが、一応ここには窓があるのだ。ちなみに、何でか鉄格子つきである。

 まあ、それはさておき、


「おー、兄貴。何、助けてくれんの?」

「あー、それはないから安心しろ。」


ぐはぁっ!


「じゃ、じゃあ何しに来たのさ?」

「決まってんだろ、茶化しに。」


へぶぅっ!


「それと、親父から伝言な。『お前、晩飯抜き』だってさ。」


あべしぃっ!


 く、くそぅ、この性悪兄に一矢報いるには・・・

 ぽく、ぽく、ぽく、ちーん!


「あー、平気。兄貴の部屋の菓子見繕って喰うから。」

「なっ!て、てめ、なぜそれをっ!?」


 ふふふ、我が兄貴(超甘党)の部屋に菓子の買い置きが山のようにあることなんぞ、両親はともかく俺やメイドたちにとっては公然の秘密というものなのですよ?


「っく、わ、我が弟ながら、やるな・・・!」

「ってかバレてないと思ってた兄貴の思考・・・よりも嗅覚か、心配だね俺は。」


 だって、あの部屋、匂いが甘ったるいんだもん。


「やかましわ!・・・ったく、何でこの手の目端と剣の腕だけは利くかね?」


 はい、アンタがそれ以外パーフェクトな超人だからです。


 そうなのだ。実はこの兄貴、荒事以外は怪物級の超優等生なのだ。

 何しろあの(・・)名門ラウス神学校を首席で卒業し、我らが連盟国枢軸議会の議員たる親父の秘書としてすでに各界のセレブたちに名と顔を売りまくっているうえ、ケンカはからきしのくせにそれ以外の運動は万能、しかも水準はるか上のイケメンと来たもんだ!


 うん、実の兄じゃなかったら、石のひとつも投げたくなるよね。


 とまあそれはさておき、仮にも名家の次男坊と呼ばれてきた俺ですよ?何かとりえのひとつもないと悲しいじゃない?ってことで、剣だけは本気で鍛えましたともさ。そういう学校にも通ったし。

 いい剣士の条件って何だと思う?答えは目が利くこと。相手の力量を読むことに始まって、相手の剣筋を読むこと、自身の剣筋の正確さ、どれもこれも目が最初に働いてこそなんだよね。もちろん、生物学的なものだけじゃなくってさ。

 ってわけで、この2つにかけちゃあちょいと自信がある。


「しょーがない、後でなんか持って来てやるよ。ただし、部屋の菓子のことは・・・。」

「オッケ、いやー、いいあにきをもってしあわせだなー。(棒読み)」

「言ってろ。」


 そういって兄貴は引っ込んだ。

 よっしゃ、晩メシ確保!て自重しろ俺。閉じ込められてる状況に変化なし!


「しゃーない、せっかくの倉庫だし・・・お宝探索開始じゃ~~!」



~しばらくお待ちください~



「うーむ、めぼしいのはこれだけか・・・。ち、シケてやがる。」


 まあ俺の不謹慎発言はともかく、本当にこの倉庫はガラクタ置き場といった体だった。親父もそれなりの名士のはずなのだが、おいている場所が別なのかたいした物はなかった。


 そう、ひとつだけを除いて。


「宝箱・・・だよな。なんつーベタな・・・。」


 宝箱。それ以外に表現のしようがあろうか。

 朱く塗った木の板で組んだ蓋つきの箱に、鋼鉄製の金具で補強がかけられている。鋲打ちまでされたそれは、明らかに「宝箱」だ。


 鍵は・・・ついてない。


「無用心だな・・・よっと。」


 さて、中身はと・・・。自重?なにそれおいしいの?


「・・・剣・・・?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ