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初の属性魔法

ウィルは戦闘好きなだけです。

その生物(仮称をスカイとする)はギョロギョロと赤い目を動かし、泉の上を旋回している。

スカイの影が陽光でキラキラ輝いてる泉に写っている。

どうやら新たに現れた相手を見定めているようだ。


その時スカイへ向けて攻撃をしようとしていたエアーがウィルに言われてやめた。


スカイは〈なんだ?〉と思い、攻撃のチャンスと思い翼を畳め急降下してウィルに攻撃を仕掛けた。

いや、仕掛けたつもりだった。


【木弾】


ウィルがそう言った瞬間スカイは、もう斃れていた。

己の灯火が消えたことにすら気づかなかった。


(ひゃー!!やっぱりウィルの攻撃は華麗だな!!)


(騒がしいですよ。⦅それにしてもあの生物は一体なんだったんでしょうか。⦆・・もう戻りますからあとは頼みます。)


(えっ!!いやちょ、ってもういない!!)


エアーが何か言う前にウィルは戻ってしまった。


――アルサイド――


ウィルの戦闘を見て私は思った、⦅凄い⦆と。


敵がいる場所へと向かったウィルは(ちなみに三人称視点)映像だけだが最初エアーと何か喋っていた。

それでエアーが攻撃するのをやめた瞬間、空にいたスカイが旋回するのをやめてウィルへとかなりの速度で向かった。


それを見てスカイと当たると思ったら、おそらく力法であろう小さい木目の球が、目で追えるギリギリの速度でスカイの胸へと当たり斃してしまった。

そしてスカイの巨体がそのまま来ていたから、ヒョイっと避けていた。

そこで映像は終わってしまったが、とても手際が良かったなぁなどと感慨に耽っていると、いつの間にかウィルが戻って来ていた。


(どうでしたか?あの力法は。とても美しかったでしょう?)


何やら興奮した様子で、顔を近づけてきた。


(う、うん。)


(そうでしょうそうでしょう!あの力法は本来ただ木を生成する力法だったのですが、それをどうにか攻撃に転用できないかと考えて創り上げたわたくしの初めての力法なのです。それだったら普通に木を飛ばせばいいんじゃないかですって?いいえ、断じていいえです。それでは美しくないではないですか。木本来の姿もそれはそれで美しいですが、攻撃する時は別です。ならなにが美しい形か、それがあの球体です。ではあの美しい球体をどうやって・・)


その後もウィルは数十分語り続けた。

ウィルはとても早口で語り続けるので私はそれを聞き取るのがちょっと大変だった。

そして思った、これから戦闘や攻撃の力法についてウィルに質問するのは程々にしようと。


(ふ〜〜・・ちょっと簡単に言いすぎましたかね?・・ところでなにを言おうとしていたんでしたっけ?えーっと、あっ、思い出しました。アルが得意な属性を確かめようとしていたんでした。)


そうだった、ウィルがなにが言いかけていたけどそれだったのか。


(では、アル。まずは、保有力素を属性変換する方法を学びましょうか。)


ウィルはそう言うと先ほど語っていた時とは違って、キリッとした雰囲気へと変えた。

私もそれに伴って自然と背筋が伸びる。


(改めて聞きますけれど、無属性の力法はある程度習ったんですよね?)


(うん。結界とか念話だけなら。)


(なるほど。・・ではこれから属性変換する方法を教えます。今回はわたくしが得意な木属性です。御手を・・はい、では今から流す力素の質を知覚してください。)


どうやらルビアの時と同じで力素を流して感じ取るようだ。

そして手から爽やかな心地になる力素が流れてきた。


(どうですか?知覚できましたか?)


((ウィルの周り緑色だったな)うん。わかった。)


(ではその感覚を思い出しながら力素の属性変換を試してみてください。無理そうならわたくしが流しながら、変換する方法もあるので気楽に練習してください。)


その後夕方ぐらいまでウィルのアドバイスも、もらいながら練習を続けて何とか木属性へと力素を変換することができるようになった。

それでもまだその状態を維持することは難しくて、数分で元の無属性の力素へと戻ってしまう。


(っ、ふー・・やっぱりずっと維持するのはまだできない。)


((おかしいですね。普通ならすぐにできるはずなのに。・・やはり・・)もう夕方ですね。続きはまた明日にしましょうか。)


(えっ、あっ、うん。)


(?どうしました?ルビアのところへ戻らなくていいんですか?)


昼間のルビアとのことを思い出す。

練習しながら考えていたことだけど、あの話のことはとりあえず納得したけれど、ほんのちょっぴり気まずさがまだある。

そんな私の様子で何かを察したのかウィルはこう言った。


((全く、ルビアときたら)では今日は一緒に寝ますか?ルビアにはわたくしから言っときますから。)


(えっと・・いいの?)


(ええ、いいですよ。その代わり明日きちんとルビアと仲直りしてくださいね?)


(いや、喧嘩したわけでは。)


(いいですね。)


(・・うん。)


(宜しい。では寝ましょうか。)


そう言うとウィルは横になった。

そして尻尾でそばを示す。

私はそこで横になって寝た。


ウィルはルビアと違ってふわふわしていなかったが、冷たくてまた違う寝心地の良さがあった。








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