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挨拶

ルビアの後ろをついて行ってこの間の広場へと着いた。

あの時は気づかなかったけどルビアの言った通り自然力素が感じ取れない。


私の周りには如何やらあの時いた者達、ルビアが言うところの家族がいた。

今度は最初から森から出てきている。


やはり皆んな姿形が違っていて同じ者は誰もいないようだ。

あの時は怯えの気配が強かったけれど今はそんなことがない。

その代わり好奇の気配が強いようだ。


(さぁ、アル。皆んなに自己紹介してあげて。・・大丈夫。念話の方は任せて。それに緊張しなくても良いんだよ?アルのことはある程度説明してあるから。)


えっ!何それ初耳なんだけど!?・・ま、まぁいっか。

それよりもまだ私は力素の制御が完璧ではないから心配だったが、ルビアが手伝ってくれるのなら安心だ。


(初めま・・二度目まして。アルリーンです。アル、と呼んでください。)


ルビアに言われた通り自己紹介をする。

だがあたりはシーンとしたままで誰も反応しない。

何か間違ったのかと、考えたが如何やらそれは杞憂だったらしい。


(よろしく〜♪)

(愛い。)

(お前かっこいいな!) 

(そんな声だったんだね!)

(良い名前だね。)


大量の力素と共に念話で四方八方から声が届いた。

私はそれに驚いて思わずワッ、と心でも念話でも声を出した。


(こらこら皆んな、そう慌てないの。アルが驚いてしまっているよ。)


(あっ、ごめんルヴィー!アルもごめん!)


(((((ごめん!)))))


ルビアが諫めてくれて一旦皆んな落ち着いたようだ。

さっきの皆んなの声が体の中に響く感じは凄かったな。

それと温かかった。


(うん。平気。・・それとありがとう。)


(ありがとう?それってどういうことだい?)


どうやら私が皆んなに、それからもちろんルヴィーにも向けて感謝を伝えたことが皆んな不思議なようなようだ。


(それは。皆んなが受け入れてくれたから。)


(((((?)))))


(えっと、・・最初会った時皆んなは怯えていて、それで今だって怖がって良いはずなのに、受け入れてくれたから。)


だめだもっと言いたいことがあったのに上手く言えない。

それに何だか恥ずかしくて思わず下を向いた。

だがまたしてもシーンとなった。

私は恥ずかしがりながらも、だんだんと勘違いだったかと不安になってきた。


(えっ、何言ってんの?・・そりゃ最初会った時はあの圧倒的な力素に怯えたけど)

(俺たちに攻撃してこなかったじゃないか。)

(うん、そうだよ!それにルヴィーが僕たちに"あの子はいい子だよ"って言ってたもん!)


だがそれは杞憂だったようだ。

まぁ怯えてたって直接言われるのはなんか悲しいけど。

今はとてもフレンドリーに接してくれている。

とてもありがたい限りだ。


(それに貴方は我々を)


(はいっ!それじゃあ皆んな順番に挨拶していこっか!今度は落ち着いてね!)


鷲のような姿をした者が何かを言いかけたが、それはルビアの言葉によって遮られてしまった。

・・気になるけどルビアがなんか急かすので、ひとまずそのことは忘れることにした。





一通り挨拶していって、とりあえず皆んなはそれぞれの寝床へとルビアが帰らせた。

どうやら一気に交流したことで、精神的に疲れた私のことを慮ってくれたようだ。


私もとりあえずルビアと一緒にルビアの寝床へと戻った。

今はちょうど正午のようで上を向かなくても眩しい。

ルビアは家の中で寛いでいる。

ちょうどいいから気になることを聞いた。


(ねぇルビア。ルビアっていろんな呼び方されてるんだね。あれも全部あだ名?)


(そうだね、あだ名だよ。)


(じゃあ、私もあだ名で呼んだほうがいい?)


(どちらでも構わないよ。アルの好きな方で呼んで。)


う〜ん。好きな方か。ならやっぱりこの数日で呼び慣れてる、ルビアが良いかな。


(ならルビアで。)


(うん。)


続けてもう一つの方を聞くことにした。


(ルビア。・・さっき"ナイト"が言いかけたことってどんなこと?話せないこと?)


これまでずっと微笑んでいたルビアが、真剣な顔で聞いていた。


(・・そうだね。まだ今は話せないかな。・・ごめんね。)


(いや大丈夫。話せるようになったら話せば。)


(うん。必ず話すから。)


何となく気まずい雰囲気になって寝たフリをするか、この森の探索の続きでもするか、何かをすると考えた。


(え〜っと。ちょっと森の探索してくるね。)


(うん。気を付けてね。)

 

ルビアがそう言った後探索の続きをするのだった。


――――――――――――――――――――――――


アルリーンが森へと向かったあと。


(アル、ごめんね。)


でも万が一にも、あの時のような状態にまたなってしまったらとても嫌だから。

だから今は話せない。


(でもいつか・・)


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