表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/10

 3. 運動音痴の試練

 

 あれ以来、躓くと八割の確率で櫻木くんに遭遇するような気がする。

 しかも必ず転ぶのを免れる、もちろん彼のおかげで。

 偶然?

 それとも…。

 それとも、なんだっていうの?故意に私を助けてくれる理由も必要性もないはずなのに。




「ではこれから、体育祭の個人出場種目を決めていきたいと思います」

 

 夏休みが明けて間もないその日、学級委員長の一声は、私にとってはまさに悪夢の始まり。

 体育祭など、希望者だけで開催すればいいのに。出場すれば毎回必ず失笑を買う私は、この行事に青春のきらめきなんて感じたことなどなかった。

 いずれにしても強制参加なら、せめて私にも務められるほど簡単で、周りに迷惑をかけないものを選ばなくちゃ!

 だけど…。


 そんな種目ってあるのかなあ?

 

 なんてじっくり吟味していたら、あれよあれよという間に残りの種目はただひとつになってしまっていた。


「う、そ…」

 

 比喩でも誇張でもなく、真実顔から冷や汗が伝う。


 『私にも務められるほど簡単で、周りに迷惑をかけないもの』


 この競技ほど、私のささやかな願いを裏切るものも他にない。

 唯一残された選択肢は。



 

 二人三脚。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ