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リンカーネイトリンカーネイトリンカーネイト  作者: にがつのふつか
第四章 『二月二日と少年』
99/237

イセカイ篇 1 『異世界↔️。』

本日投稿の、1話目です!!


第3章開始します!






俺は玄関のドアノブを握っていた姿勢のままだった。


開いた筈のドアは、

まだ閉じられたままで、

俺の身体は未だ、

ドアから外へは、

出ていないと云う事なのだろうか?


(え……夢? 何で? 立ったまま……? )


俺は、今の今まで、

イファルの平原に居た筈だ。


遠くには地平線の広がる、

見た事の無い様な、とんでもなく広い所だった。


ロウウェンの炎の熱気で、

火傷をしてしまった感じの、

まだ身体のヒリヒリとした感触が抜けていない。

ロウウェンと対峙した時、本当に死ぬのかと思った。

あの時に自分が流した、一生分くらいの冷や汗と、

心臓がひっくり返りそうになった、激しい動悸は、

とても夢の中の出来事には思えなかった。


とにかく、一旦落ち着こう。


俺はズボンのポケットからスマホを取り出して、

今の時刻を確認してみた。

水曜日の夜11時57分。


何となく、冷静になろうと、

スマホの画面を眺め、

漫画や動画のアプリを起動させてみたりして、

記憶を辿ってはみたが、

自分が最後にスマホで時刻を確認したのが、

いつの事だったのかは、

もう思い出せはしなかった。


(あ……)


そして、俺は自分の服装に異変を覚えた。

ようやく、この段階で。


スイと、シャオとユンタの三人が、

あーだこーだ言いながら選んでくれた、

あの異世界然とした服では無く、

自分が、いつも着ている、

クタクタになったスウェットを、

俺は当たり前の様に着ているのだ。


現実と()()のズレが、

衝突を起こしてしまったかの様に俺には思えた。


絶対におかしい。


自分は致命的な間違いを犯してしまっている、

それも現在進行形で。

そんな考えが浮かんでしまうと、

不安な気分で、どうしようもなくなってしまいそうだ。


早く戻らないと。


俺はそう考えた。しかし、

どうやって?


俺が突然迷い込んでしまった、あの世界。

その名前すらも俺には判らない。


一体何から手をつけて、

どうしたら良いのかが、

全く判らない。


冷静にならなけばならない、そう思う半面で、

俺は目眩すら起こしてしまいそうな程に、

激しい混乱に陥っている。


訳の判らない事に頭の中を、

ごちゃ混ぜに、掻き混ぜられてしまい、

俺は取り留めも無く、

訳の判らない事を考え続けている。


◆◆


「ぃよッッし!! 一旦、落ち着こう?

何か、魔法に掛けられてんのかも知れないしな?」


俺は自分に言い聞かす様に、声に出してそう言った。


自分の部屋に戻ると、

見る訳でも無くテレビを点けて、

自分に起こった事の顛末を、

ゆっくりと思い出しながら俺は考え続けた。


あの時、

玄関をのドアを開いた瞬間、何の前触れも無く、

俺は異世界(むこう)側にいたんだ。


それから、いきなり殺されかけて、

それをスイが助けてくれて、

俺はスイから、あの世界の女神と日本人の話を聞いて、

女神の痕跡を探す旅に出て……、


スイ。


俺はスイの横顔を思い浮かべた。


先刻(さっき)まで一緒にいたんだ。

いつも、少し気だるそうにしていて、

不思議な、心地の良い声で喋って、

俺の事を小馬鹿にしていて、

滅茶苦茶な理屈を、

さも当然の様に押し通すドSで、


でも、

強くて、

友達の事を大切にする良いヤツで、

胸は無いけど、顔は可愛くて、

背も小さくて、

俺と年齢(とし)も大して変わらない、

子供の様なのに、

戻って来ない育ての親の帰りを、

ずっと待ち続けてる。


正直、そこまで考えたところで、

俺は無性にスイに逢いたくなっていた。


俺はすぐにでも、

異世界(むこう)に戻らなくちゃいけない。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


どうにかして、戻る方法を探さないと……。


でも、

一体どうやって向こうに行く事が出来たのかも、

わからない。


誰に聞けば教えてくれるのかも。


そもそも、そんな事を聞ける様な相手なんて、

この世界(俺の周り)には居ない。


『異世界 行く方法』

『異世界 戻ってしまった』

『異世界 玄関 ドア』

『異世界 もう一度 行きたい』


俺はスマホで検索を続けた。

都市伝説や、異世界を題材としたラノベやアニメ、

その他の無数の創作作品に関連した事が、

ヒットするするだけで、

欲しい情報は、何一つ得ることが出来ない。


俺は仲間の名前を入力して検索もしてみた。

『スイ』

『シャオ』

『ユンタ』

『ロロ』


結果は当然だった、

そして、またそれが俺を不安にさせた。


何か、ひとつでも良いので、

向こうに関する情報がとにかく欲しい。


リセットをされてしまった様に、

俺の服装も元に戻されている。


俺が向こうに居た痕跡を、

消されてしまった気分だ。


段々と悲しい気持ちになってしまいそうだった、

が、

縋る様な思いで、

俺はもう一度、

自分に問い掛けた。


正確には、祈りを込めて、願った。


(頼む……! 頼む……! 頼む……!!)


───『先月末日、東京都○○区の高校に通う、

女子高生、*******さんが、下校の途中に行方不明になった事件で、依然、彼女の行方はまだ不明のままで、誘拐事件に巻き込まれた可能性もあると、本日正午に警察関係者に依る会計が行われました』


テレビでは、

深夜帯にも関わらず、ニュース番組が流れていて、

出演しているニュースキャスターは、

俺にだけ秘密を打ち明ける様に、

密やかな声で原稿を読み上げている。


(来い……! 来い……!)


───『また、***さんの通う高校の近辺では、

不審者等の目撃情報は、今のところ寄せられていないようですが、数年前にも○○区では、男子生徒が行方不明になった事件があり、警察は何らかの関連性が有るとみて、捜査を行う方針です』


(全力で一発を撃つ必要は無い……。

制御して、想像(イメージ)を重ねて……)


俺は先程、ロウウェンに向けてスキルを放ったが、

ヤエファとの特訓のおかげで、

余力を残す事が出来ていたのだ。


(俺が俺に命ずる……。コレ、詠唱いらないんだけど……。

でも、想像が大事なんだろ!?

頼む!! 発動せよ!!)


───『技能賃貸(スキルレンタル)!!!』


俺は翳した腕が、

徐々に熱を帯びて発光をするのを見て、

夜中に大きな声を出してしまったのを後悔したが、

喜びが完全にそれを上回った。


あの世界との繋がりが、

まだ、途絶えてはいなかったのだから。


───ブゥェーーーーッッ!!


警告音、にしては間抜けだ。

突拍子も無く頭の中に響いた、その音と一緒に、

俺の中で聞こえる、あの声が俺に告げた。


『魔力を認知出来ません。

能力発動範囲の、対象外です。

消費魔力過多に因る、

発動者(ユーザー)への危険回避の為、

緊急的に強制終了(シャットダウン)を行います』


そこで、俺は意識を無くしてしまった。

とても、アッサリと。


◆◆◆


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