第八十四話『みんなでやろうと思う事について。』
本日投稿の、
3話目になります!
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「どうじゃったかの?王様との謁見は」
「協力してくれるよ。王様が話の早い人で良かった」
「ふむ。首尾は上々じゃの」
「ヤエファ達はどうだったの?」
「バッチリじゃ。
葬儀屋、棺桶屋が共謀して、
ここ何ヵ月、何体かの遺体を横流ししとったようじゃ。
軽く締め上げたら、全部吐きよった。
ただ、
裏で糸を牽いとるガコゼの名前は出て来んかったがの。
代理の者が取引に来ておった様じゃ」
「代理の者か。仲間がまだ居たんだ」
「若しくは操っとる死体じゃの」
「悪趣味だね」
「反吐が出るじゃろ」
「でもさ、ヤエファ達が、
葬儀屋だの棺桶屋だのを、
探ってたのがバレたんじゃないか?マズくないか?」
「良いんだよバレて」
「何でだよ?」
「リクちゃん、鈍いの。
わっちが葬儀屋に行くと言うた時、
スイちゃんは止めんかったじゃろ?
ありゃ、敢えての事じゃ」
「そう。これでガコゼは、こっちの存在に気づいて、
警戒した。
逃走する準備をする筈だけど、横流しされた、
何体かの遺体を、一体どうやって運ぶんだろうね?」
「何かの荷物に紛れ混ませるとか?」
「リクちゃん。わっち達は亜人じゃけ。
鼻はよう利く。
処理は当然しとるじゃろうが、
遺体は遺体じゃ。
腐敗臭は必ずする」
「それじゃ、置いて逃げられたらどうするんだよ?」
「それは無いだろうね。
幾ら聖域教会の後ろ盾が有るにしても、
遺体を横流しする取引なんて、ただ事じゃない。
危険を侵してまで手に入れたものを、
みすみす手放さないだろうね」
「どっちにしろ、これまで手がかりが無かったんじゃ。
ガコゼを揺さぶった事で、何かしらの動きはあるけ。
今までより、よっぽど見つけ易うなると思うがの」
「後は、此処に居るガコゼが、
殭尸だと云う事だね」
「魔力の届く範囲も無限じゃないけ。
近くにゃ居らんとは思うが、
イファルの何処かにゃ居る筈じゃ。
殭尸を動かす為に、
供給しとる魔力の跡を辿れりゃ万々歳じゃの」
「出来そうかな?」
「そこまで追い詰めといて、
逃がす訳にゃいかんからの」
「……私とラクシェで捕まえられるかな?
特定が難しいんでしょ……?」
「それじゃがの。
わっちも色々考えてみたが、
特定が出来んかった場合、
供給された魔力の接続が、
切れた瞬間を狙うのはどうかの?」
「……魔力の跡を辿らなくて良いの?」
「出来そうなら、やりゃ良えけ。
その方が確実じゃ」
「ヤエファーー、接続切れた瞬間を狙うってのは?」
「こりゃ憶測じゃがの。
ユン姉は、
ガコゼが殭尸を操りながら、
自由に行動出来とると思うかの?」
「操作系の魔法ってーー、
大体、操ってる最中に、
術者は動けねーのがセオリーだよな」
「そうじゃの。
接続が切れた瞬間と云うのは、
ガコゼが本体に戻った瞬間と云う事になるの」
「なるほど」
「いや、全然わからん」
「やれんのリクちゃん。
魔力の届く範囲は無限じゃ無いんじゃ。
ザックリ言えば、殭尸の居るところの、
魔力の届く範囲にガコゼは必ず居る。
じゃけ、
魔法の発動しとる効果領域を、探知するんじゃ。
効果領域が有ると云う事は、
そこに術者が居ると云う訳じゃ。
そこら辺に居る者が全員、
魔法を発動しとる訳じゃなかろ?
虱潰しに行けば必ず当たるけ。
効率は悪いがの」
「余計分かりづらいわ!」
「ま。
リクちゃんが、やるんじゃないけ」
ヤエファは呆れた様に、そう言って溜め息をついた。
「私的にはぁ、魔力の跡を探る方角がぁ、良いかなぁ」
「……ヤエファの言ってるのは、
とても高度な探知魔法の技術だよ、
ラクシェが嫌がるのも無理ないよ……」
「ラクシェとハツなら、
わっちは出来ると思うがの?」
「あたしとかメイとかミンシュは、どうすんだヨ?」
「待機じゃの」
「そんなん絶対暇だし! 知らんけど!」
「探知が出来たら、取っ捕まえるのが仕事じゃけ」
「えーー、もしかして、その間は自由行動ですー?
ロロピニョとペアで行動出来たりしてー!
やだやだーー!」
「ロロちゃんに迷惑掛けんようにの」
「何スかロロピニョって……?」
「きゃわわわわわわ!!
もー!ロロポニョ真面目ーー、やだやだー!」
「あ……、変わったッスね……」
「つーことはウチらも待機だなーー?」
「あ、ユンタには、
足の疾い子を、すぐに出せる様にしてて欲しい」
「おっけーー」
「スイ!私はどうしたら良いですか?」
「君もレイフォンとメイ達と待機してもらって、
ガコゼを逃がさない役目をしてもらおうかな。
なにせ、君は足がとても疾い」
「はい!!!」
「お……、俺は……?」
リクが不安そうな声を上げて、
それを聞いたヤエファが、
ニンマリと嬉しそうな顔をして言った。
「そうじゃの。リクちゃんにも、
大事な役目があるけ。
時間も無いけ、急場拵えじゃが、
わっちが今からしごいちゃるからの?」
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