表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リンカーネイトリンカーネイトリンカーネイト  作者: にがつのふつか
第三章 『指切り姫と西方と忘れられた古い唄』
81/237

第八十一話『稽古をする事について。』

1/26分、

最後の投稿です!


遅くなりました!



「探しても見つからん筈じゃ」


ヤエファは苦々しく笑いながら、そう言った。


「……でも『殭尸(キョンシー)』だとしたら、

術者の魔力が少しは残るんじゃない……?」


「そうじゃの。

ほいでも(だけど)

ハツはガコゼと()うた事が無いからの、

特定するんは厳しいじゃろ?」


「……それは、まあ、そうだけど……」


「殭尸?」


「死体を操って動かす魔法の事じゃ。

西方由来じゃけの、ここらじゃ珍しかろ」


「ふーん。

とにかく、ガコゼはそれで亡骸を操って、

自分は、危険の及ばない何処か遠くに居るって事だね」


「そうじゃ。しかし、

これでガコゼが()()な事は確定したの。

そこまでするのは警戒だけが理由じゃなかろ」


「そうだね。

後はガコゼが具体的に、この都で何をしているのかだね」


「やはり、墓を荒らしとると思うがの。

いかんせん、怪しい奴は墓地では見んかったけ」


「葬儀は?」


「そりゃ、何件かは、やっとったがの。

死体を運び出しとる様子も無かったけ」


「協力者がいるのかも知れないね。

亡骸を、より安全に手に入れる為の」


「葬儀屋か棺桶屋かの。空の棺を入れておけば、

掘り返す必要は無いけ」


「各業者を尋ねてみようか」


「そうじゃの。

それは、わっちらでやろうかの。

スイちゃん達は国王に謁見に行くじゃろからな」


「うん。お願いするよ。

それと、今更だけど、

皆の能力を教えてもらって良いかな?」


「ラクシェとハツは、魔力の感知を筆頭に、

補助と偵察役じゃ。

後の3人は戦闘じゃの。

レイフォンとミンシュは身体強化系のスキル、

メイは魔法系じゃ。

わっちも戦闘系じゃが、一番得意なんは誘惑じゃの。

スイちゃん達はどうかの?」


「わたしが精霊魔法。

ユンタが召喚術に、シャオが身体強化と格闘のスキル、

ロロは呪歌(バードソング)が使える。

それと、

リクが相手の能力を拝借するスキルレンタル」


「ほう。

リクちゃんは、

なかなか面白いもんを持っとったんじゃな?」


「まあ……。一応……、役には立ってないけど」


「そういう特殊系のスキルはの、

鍛え方次第で化けるけ。

未だ、余り場数も踏んどらんのじゃろ?

使い方さえ把握出来りゃ、

自分で思うとるより強くなれるけ」


「そうなのか?」


「リクちゃんが良けりゃ、

お姉さんが手取り足取り教えちゃろか?」


「な……、なんでエロい言い方すんだよ!?」 


「照れんでも良かろ?

優しうにしちゃるけ」


「リク。良かったじゃない。

ヤエファが教えてくれるって」


「いや! からかってるだけだろ!」


「ふーん。それにしては、

随分嬉しそうだね?」


「は……、はぁ!?」


「ま。わたしには関係無いけど」


(なん)かね?

スイちゃん、妬いとるんかの?」


「妬く?わたしが?リクに?」


そげ(そんなに)苛めたら可哀想じゃろ?」


「全然可哀想じゃない。

それにわたしは、こんなエッチな男は好みじゃない」


「ふ……、普通に健全だと思ってるけど!?」 


「いやらしいね。チラチラとヤエファの胸ばかり見て。

君が巨乳好きだと云う事は周知の事実だ」


「皆に知られてんの!?」


「わたしが言いふらしてやるんだ」


「やめてね!?」


「あっはっはっ!!

影の薄い兄ちゃんじゃと思うとったが、

リクちゃんは面白いの。

スイちゃん、取りゃせんけ、安心して大丈夫じゃ」


「別にわたしは構わないよ」


「コトハと同じ、ニホンから来た人間じゃ。

きっと、何か深い縁で繋がっとると思うがの。

大事にしてやりんさい」


シャオが何か言いたげにするのを遮って、

ヤエファが続けた。


「この世界は、知っての通り物騒じゃからの。

リクちゃんも少し鍛えた方が()え。

明日、一段落着いたら、わっちが稽古しちゃる」


「それは……、その……、つまり……、夜の……」


「アホ。

真面目な方じゃ。

長生きしとる分、

スキルの使い方にゃ詳しくなるもんでの」


ヤエファがそう言うのを、

スイは、何処となく落ち着かない気持ちで、

眺めていた。


そして、夜は更けていき。

一向は明日に備える事とした。



◆◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ