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リンカーネイトリンカーネイトリンカーネイト  作者: にがつのふつか
第三章 『指切り姫と西方と忘れられた古い唄』
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第七十七話『信用を得るという事。』

本日投稿の、

2話目になります!



「まあ。その、何じゃ。

わっちの所為(せい)で泣かしてしもうたかの……、

そう云うつもりじゃ無かったんじゃが……、

ゴメンの。

スイちゃん、そんなに泣かんとてくれんかの?」


「……ぐすッ、ぐすッ……」


「じーーーー………」


「ユン姉も大きな声出しよったじゃろ?

そんな眼で見ちゃいけん(ダメ)よ」


「ど……、どうしましょう!?

スイがこんなに泣くなんて……、

ユンタさん!? ヤエファさん!?

スイを泣かせないで下さい!!」


「ス…スイちゃん!

自分も気にして無いッスから!

そんなに泣かないで下さいッス、

自分も悲しくなっちゃうッス」


「だ……、大丈夫かよ?

ほら?チョコ有ったぞ?

食うか?」


「……ぐすっ、……ごべん(ごめん)……、

皆に心配かけて……、ぐすっ、……」


「スイ。ウチもごめんなーー……、

大っきな声出しちゃって、怖がらせちゃったなー……」


「ぐすっ、……ユンタは悪くないよ……」


「父様、母様、

今夜は御開(おひら)きにしませんか?

スイを少し落ち着かせないと……」


「……スイちゃん!!!

おじさん……、おじさんが情け無くて、力になってあげられなくてごめんね!!!」


「おばさんもよ!!

スイちゃんが辛い思いしてたのに……、

私何にもしてなくて……!!」


「クアイおじさん……、カヤおばさん……」


「私もです!!

スイが……、スイが悲しんでいるのに……、

私はどうしたら、スイの悲しみを……、

私が出来る事なら全部やります、

少しだけでも良いんです……、

少しでも、悲しさを、(やわ)らげる事は、

出来ないのでしょうか?」


シャオは、ドレスの端を掴み、

声を震わせながら、大粒の涙を(こぼ)していた。


「シャオ……。ありがとう……、

心配かけて、ごめん。

コトハさんが帰って来るまで、

気長に待てるつもりだったんだ。

でも、

考えたら悲しくなっちゃって。

もう、大丈夫だから、今度はシャオが泣かないで?」


「健気が過ぎます……、私なんて……、私なんて……」


「いやはや、美しいの」


「お前チョット静かにしてろよーー」


「そんなに悲しむ必要も無いと思うがの」


「はーー?何言ってんだよヤエファ、

聞いてたか話?」


「聞いとったよ。

難しい局面に見えて、物事は実に単純明快じゃ。

スイちゃんはコトハを。

わっちはガコゼを。

その間に()るんは聖域教会じゃ。

目的が偶然にも一致しそうじゃの」


「いや、全然一致してねーーだろ。

無理矢理が過ぎる」


「クアイちゃん。

ちょっと訊いてみるがの、

ガコゼが、

イファルで狼藉(ろうぜき)を働く様な輩だった場合、

それを懲らしめたら、

イファルに迷惑は掛かるかの?」


「それは、事の大きさに依るかも知れませんが……、

仮に何か犯罪を冒したとしても、

教会側に揉み消されてしまう可能性もありますね」


「明確な理由と、確固たる証拠が有ればどうかの?」


「ガコゼ氏の占める、

教会内での関係性の割合にも依ると、

僕個人は思いますけど」


「そりゃそうじゃの。

要は、ガコゼを切り捨てても()む無しと、

教会が判断すりゃ、

何の問題も無い筈じゃ」


「まあ……、それはそうですが……」


「どうゆう事ッスか?」


「十中八九、

ガコゼは教会を後ろ盾に何か悪さをしとる。

そういう奴じゃからの。

その尻尾を捕まえて、言い逃れ出来ん様にしてしまえば、教会としては、

無理にガコゼを擁護する必要が無いって事じゃ」


「そんなに上手く行くんスか?」


「ロロちゃんは可愛(かわえ)えの。

まあ、考えてもみんさい(みなさい)

幾ら繋がりが有ると云うても、

悪事が露見すれば、

ガコゼも所詮、しがない(取るに足らない)亜人じゃ。

教会からすりゃ、メリットが無けりゃ、

それまで(いらない)、とは思わんかの?」


「えーー。何で、

そんな自信たっぷりなんだよーー、

怖いんだけど」


「ユン姉もガコゼの事は、

よう(よく)知っとるじゃろ?

姑息で意地汚い、

他人を陥れて理由するくらいしか、能の無い、

そげ(そんな)生き方しか出来ん奴じゃけ。

それに欲深い。

餌を仕掛けて、

此方(こっち)が網を張っとれば、

必ず掛かる筈じゃ」


「どうやんだよ?」


「そこで、皆さんに協力を仰ぐって事じゃの。

何せ、わっちに一度殺されかけとるけ、

わっちが罠を仕掛けたんじゃ、

警戒して寄って()ん。

あいつは鼻が効く。

亜人の動きにゃ敏感じゃ」


「私達が罠を仕掛けるという事ですか?」


「シャオちゃん、そうじゃの。

イファルに堂々と出入りしとって、

軍部とも面識が有るんじゃ、

罠を仕掛けるにゃ、うってつけの好機(チャンス)じゃ


「クアイ君にやらせるって事?そりゃ無理だろーー」


「わっちは無理とは思わんがの。

クアイちゃん次第じゃ」


ヤエファはクアイの様子を伺い、

彼が判断を、迷い(あぐ)ねている事に気づいていた。


「でも、ガコゼの悪事の証拠を押さえたとして、

それでスイの気持ちが治まるんでしょうか?」


「シャオちゃん、鋭いの。

コトハはネイジンに行って、消息を絶っとる。

ネイジンと云う国は、

誰でも彼でも気軽に出入り出来る様な国じゃないけ、

其処に巧く入り込んどるガコゼは、

必ず何か情報を持っとる筈じゃ。

コトハはあげ(あんなに)強い人間じゃったからの、

知らん筈が無いと、わっちは思うとるの」


「でも、それは確証が無いんですよね?」


「無い。

じゃが、ガコゼの事は、よう(よく)把握しとる。

強者を理由する為に、

擦り寄る性質(たち)のクズじゃからの」


「もし、ガコゼが何も知らなかったら?

私達が危険を冒してまで、

協力する意味が無くなりませんか?」


「わっちが責任持って、必ず吐かせる」


「どう信用すれば良いのでしょうか?」


「ま。そうじゃの。

ぶっちゃけると、ガコゼを取っ捕まえる所までしか、

未だ考えとらんかったけ」


「真面目にやって下さい!!」


「そう怒るな。怒った顔も美人じゃがの。

策が無い訳では無いんじゃ。

クアイちゃんが、ガコゼを誘き寄せるのに協力してくれたらじゃがの」


「その策とは……、一体何でしょうか?」


クアイが神妙な面持ちで、ヤエファに尋ねた。


「ガコゼが何も知らんかった時には、

わっちがガコゼの首を取って、

世界中の亜人を煽り、賛同を得て、

戦力を搔き集める。

ガコゼと聖域教会に、

恨みを抱いとる連中はようけ(たくさん)おるけ、

その連中を先導して、ネイジンに直接乗り込む。

相手方の本拠地に行けば、情報も得られるじゃろ」


「そんな事が、本当に可能なんでしょうか……?」


よいよ(本当に)最悪の策じゃがの」


◆◆

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