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リンカーネイトリンカーネイトリンカーネイト  作者: にがつのふつか
第三章 『指切り姫と西方と忘れられた古い唄』
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第七十話『彼女達と残響。』

本日投稿分の、

1話目になります!!



ロロは突然の事で驚き、目をパチクリとさせて、

どう反応すれば良いものか考えていた。


他の女達に比べて、小柄な亜人の女が、

自分の事をえらく気に入っている。


「あなた! お名前は何て言うんです!?」


「じ……、自分はロロって名前ッスけど……」


「ロロたん!! きゃわわわわわわ!!」


「あ……あの、ヤエファさん、こちらの(かた)は……」


「すまんの。その子はミンシュって云うての。

ロロちゃんみたいなタイプの子に目が無くての。

騒がしいけ、(わずら)わしいかも知れんが、

勘弁してくれの」


「そ……、そんな事無いッスけど……」


「お目目が大きぃぃーー!! やだやだ!!

可愛さの権化ーー!! きゃわわわわわわわ!!」


「あ……、圧が……」


◆◆


「それでぇ、昨日聞いたのはぁ、クラウドナインの仲間のぉ、

お宅に招待してもらったって言ってたけどぉ?」


「そうじゃの。

ラクシェ。こっちのお嬢さんが、

シャオちゃんて云うての、シャオちゃんが招待してくれたけ」


「そうなんだぁ、私達がぁ、行っても迷惑じゃ無いのぉ?」


「迷惑だなんて、とんでもないですよ!

是非皆さん、いらしてください!」


「彼女達が、ヤエファの義妹(いもうと)達なんだね」


「皆、可愛(かわえ)え娘達なんじゃが、

育ちが良くないけ、行儀が悪かったら、すまんの」


「おい! ヤエファーー!! このガキなんとかしろよ!!」


「ガキじゃないし! 

あんたの方が、よっぽどガキに見えるし!

知らんけど!」


「そうだヨ! 

クラウドナインって、

もっと(こえ)えババアかと思ってたヨ!」


「はーー!? ババアじゃねーーしーー!?」


「メイ。レイフォン。

行儀良うせにゃ、お呼ばれされんくなるけ」


「悪すぎんだろーー!?」


「まだやんちゃでの。わっちも手を焼いとるけ」


「それでぇ、ヤエファぁ、こっちの子はぁ?」


「スイちゃんじゃ」


スイ(名無し)ぃ?

昨日ぉ、街中で精霊をぉ、使ってたのはぁ、スイぃ?」


「うん。わたし」


「そうなんだぁ。街中にすごくぅ、たくさん精霊が居てぇ、

私ぃ、驚いてたぁ」


「君も精霊魔法を使うの?」


「ううん私はぁ、魔力の感知がぁ、得意だからぁ。

あんなにぃ、たくさんの精霊を一気に使うってぇ、凄いねぇ」


「そんな事無いよ。

結局あの後、魔力切れを起こしちゃったから」


◆◆◆


「えー……、それでそれで、

ロロたんはー、今フリーなんですー?」


「フ……、フリーかフリーじゃないかって云えば、

フリーでは有るッスけど……」


「えー! どうしよどうしよ!!

ちなみにー、この後って予定は有るんですー?」


「こ……、この後は皆と色々お店を回る予定なんスけど……」


「えー残念ー!

あ! でも、夜にまた逢えるです!」


「そ……そッスね……」


「えー、お酒飲んじゃおっかなー?」


「あ……、あざとい言い回しッスね……」


「ミンシュ。あんたは酒は駄目じゃ。

こないだも滅茶苦茶だったけ。

酔うたら何するか、わからんからの」


「えー! ヤエちゃんの方が酒癖悪くないですー?」


「わっちは暴れんから()えんじゃ。

それに、こげ(こんなに)別嬪ばっかりが揃っとる席で、

飲まん訳にはいかんけ」


「ずる!」


「ご無沙汰じゃけ。

(はよ)う夜にならんか待ち遠しいの」


「合コンじゃねんだぞーー!!」


「え?あの、ヤエファさんて、もしかして……?」


「ん?何じゃシャオちゃん。

女が好きなんかと思うたかの?」


「なんとなくそうかなーとは、思ってたんですけど……」


「その通りじゃ。

どっちかと云えば、女の方が好きじゃの。

シャオちゃん達みたいな可愛え娘に目が無いけ。

試してみるかの?」


「け……、結構です!?」


「なんじゃ残念。

スイちゃんはどうかの?」


「どうと聞かれても」


「ス……、スイも駄目です!!」


えらい(すごく)ムキになるの。

そげ(そんなに)怖がらんでも。

なんなら、二人一緒に面倒見ちゃろか?」


「あはは。ヤエファはやっぱり面白いね。

すごく下品な事を言ってるのに、

いやらしく聞こえないね」


「下品には思うとったんじゃの。

スイちゃん、あんたも()えね。

コトハに似とるの」


「ありがとう」


「わっちはコトハもお気に入りじゃったが、

スイちゃんも気に入ったけ。

スイちゃん、わっちの嫁にならんかの?」


「な!? ヤエファさん!?」


「こりゃ冗談じゃ無いけ。

亜人は嫌かの?」


「ヤエファさん! 駄目に決まってます!!」


「誰か、お相手がもう()るんかの?」


「いや、相手は居ない。

居ないんだけど……、

こうも短い間に、女の人に求婚されるとは……」


「先約がおったんかの?」


「まあ……、その……」


「わっちも野暮じゃないからの。

茶化したりはせんけ」


「あ……、あのさ……」


「ん?」


その時だった。


「ヤエファさん! 

スイはお嫁に行きません!!!

私がお嫁さんにしてもらうんです!!!!!!」


シャオの声が高らかに、

施設中に響き渡る様にして、

しばらくの間、残響を起こし、

周囲の人々を唖然とさせた。


◆◆◆◆

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