第六十六話『彼は転移者だが天恵者では無かった。』
本日投稿の、
最終話になります!
今日も読んでくれた皆さんありがとうございましたー!
◆
「懐かしいの。
コトハは娘の事をあげ大切にしよったのに、
一緒に居らんのは何でじゃ?」
「コトハはなーー……。
別で旅に出てんだよ」
「娘の事、置いとかれんて言うとったじゃろ?」
「色々あんだよーー。
スイの事、大事に思って無い訳じゃねーからな?」
「ほいじゃ何でかの?」
「あーー。もーーうるさ。
コトハは国の依頼で旅してんの!
女神の痕跡探すのに!」
「ふうん。
人間は相変わらず女神様が大好きじゃの」
「そりゃそーーだろ」
「ユン姉も女神の痕跡探しの旅の途中かの?」
「そ」
「ご苦労じゃの。自分の物になる訳でも無かろうに」
「いらねーーから。
ウチはスイの仕事手伝ってるだけだから」
「スイ。聞き間違えかと思うとったが、
本当にスイって名前なんじゃの。
国から頼まれて旅に出るくらいじゃけ、
娘もコトハみたいに強いんかの?」
「じゃねーーと、国も依頼しないでしょ?」
「コトハさんも、アイツと同じ精霊魔法を使うのか?」
「いんにゃーー。コトハは違う」
「リクちゃん。コトハはチートじゃけ」
「チート!」
「生まれながらに複数の上級スキルを備えとるって云う、
アレじゃ。
魔法じゃろうが体術じゃろうが、ズバ抜けとる。
チートと出会したんは、
コトハが初めてじゃなかったが、
ありゃ規格外じゃ。
あんな出鱈目に強い奴はおらんの」
「ウチも、コトハ以外のチートで、
あんな奴見た事ねーーよ」
「そ……、そんなに? 羨ましい……」
「控えめに言っても、人類最強ーー?」
「マジかよ!? 格差!!」
「転移してくる人間は、皆あんなに強いんかと思うとったが。
そういう訳でも無いんじゃの」
「俺のスキル……」
「気にする事は無いけ。
比べる必要が無いんじゃ、誰も敵わんけ」
「スイちゃんって凄い人に育ててもらったんスねー!
でも、スイちゃんも滅茶苦茶強いッスよね?」
「中央諸国で最強の精霊術師って言われてるからーー♪」
「何でユンタが得意げなんだよ」
「だってスイはウチの娘でもあるからーー♪
お世辞抜きに、
スイの精霊魔法は、中央諸国どころか、
大陸でも頭一つ抜きん出てるからねーー」
「でも本人、燃費悪いって言ってたよな?」
「それは、未だ成熟しきっとらんのじゃろ。
魔力と魔法が比例せんっちゅう事じゃの。
自分の能力に身体が追いつかんのじゃ。
それを諸ともせんのが、チートって訳じゃ」
「ま。
大人だって、本人は言うけどさ。
まだまだ、お子ちゃまなんだよーー。
可愛いだろ?」
「成熟しきって無い……。お子ちゃま……」
「おっぱいの話じゃねーーぞ?笑」
「思ってねーわ!……でも、確かに、
アイツ、俺より歳上の割には、
かなり幼く見えるとは思うけど……。
……おっぱいも……、確かに小さい……」
「リク君……。最低ッスね!」
「スイ気にしてっからね!!」
「あはは。
楽しそうじゃの。
わっちは賑やかなんが、好きじゃけ。
やっぱり、
今夜は皆で一緒に飯を食おうや」
「えーーー」
「何で今の流れで断るんかの?」
「ヤエファが居ると、絡まれるから嫌なんだよーー。
お前目立つし喧嘩っ早いしーー」
「せんせん。
さっきの事を言うとるんかの?
ありゃ、店員さんも言うとったじゃろ?
わっちは悪うない」
「それにお前、可愛いと口説くだろーー?
もう一人の子も、めちゃ美人だから、
手出しそーーで怖いんだけどーー」
「わっちの事を何だと思うとるんかの?
そげ、見境無く、
ちょっかいかけんけ」
「嘘つけ。
さっきの店員ちゃんも、クラクラ来てたじゃんーー」
「ありゃ事実を言うただけじゃ。
わっちは可愛え子の味方じゃ。
そげ、煽られたら期待してしまうの」
「やめろーーー」
「でも、賑やかで楽しいのは自分も好きッス!
ヤエファさん、この街のお店とか詳しいッスよね?
晩ごはんの美味しいお店とかチョット惹かれるッス」
「わっちは、よう知っとるよ。
ロロちゃんを連れてって、何でも教えちゃろか?」
「行きたいッス!!」
「酒は飲めるんかの?」
「もう誘拐じゃーーん」
「ロロちゃんも可愛えの。ユン姉、羨ましいの。
まあ。スイちゃんと合流出来たら聞いてみようや。
飯も酒も旨い良え店知っとるから、連れてくけ。」
「スイが良いって言ったらなーー」
「ところで。ヤエファの仲間って、もしかして、亜人?」
「そうじゃ」
「って事は、獣耳の……?」
「何かの?リクちゃん、亜人の耳が好きなんかの?
触ってみるかの?」
「え!?」
「ほれほれ。飾りじゃ無いけの。
優しく触らんといけんよ?」
(生唾飲み込む案件なんだが……)
「どしたん?男に触られるんは好かんが、
リクちゃんなら構わんよ?
でも……。
わっちは耳が弱いけ……。
声出たらすまんの……」
「ハァ……! ハァ……!」
「そげ、息荒くしとったら怖いけ……。
優しくしてくれんと嫌じゃ……」
「や……! 優しくする! 優しくするから……!」
「キッッッモ!!」
「リク君! 最低ッスね!!」
昼時が過ぎても活気を失わない、
賑やかな大通りを、
大勢の人々が行き交う中、
仲間を探すスイの精霊が、
リク達の姿を捉えたのは、もう少しだけ経ってからだった。
◆◆




