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リンカーネイトリンカーネイトリンカーネイト  作者: にがつのふつか
第三章 『指切り姫と西方と忘れられた古い唄』
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第六十話『傾向。』

本日投稿の、

1話目になります!!



(まぶた)を閉じて、

眠ってしまったスイに、

シャオが遠慮がちに、

そっと声をかけていた。



「スイ……。スイ………。

まだ眠たいですか……?」



「……………ん。………シャオ。

わたし、眠ってしまってたんだね。

どのくらい時間が経ったかな?待たせてしまったね」



「いえ……。

そんなに長く寝てないですから……。

それより……。

私こそ、ごめんなさい……。

あんなに泣き(わめ)いて……。

スイを困らせてしまいました………」


シャオが顔を()せて、

恥ずかしそうにしながら、スイに言った。


ふ。

と、スイは短く笑って、

シャオの頭を軽く撫でた。


「もう泣き止んでいたんだね?」


「はい……」


「なんだか子供の頃に戻ったみたいだったなぁ。

それに今ね。

とても懐かしい気分になる夢を見ていた」


「子供の頃も……。

私、スイの前でたくさん泣いてましたもんね……。

昔の夢を見てたんですか?」


「うん。昨日の夜も見たんだ。子供の頃の夢」


「それで、なんだか楽しそうに寝ていたんでしょうか?」  


「え?

わたし笑ってたりしたのかな?」


「とても穏やかな顔をしてて……。

なんだかむにゃむにゃと言っていた気がします」


「寝言も言っていたんだ。

恥ずかしいな……。でも素敵な夢だった」


スイは立ち上がり、背伸びをした。

少し眠ったことで、頭もスッキリとして、

胸のモヤモヤも、晴れた様な気分で、

調子を取り戻した様な気がしていた。



「シャオはさ。

ニホンの人たちは、

ニホンの人たち同士で、

自然と、お互いの存在を呼び寄せ合ったりしていると思う?」


「え?どうでしょう……。

イファルには、

余りニホンからの転移者が来た事がないですから……。

私にはちょっとわからないです……。

スイはそう思うんですか?」


「うん。

思っている。

最近だと、リクが来て、

おそらくミナトであろうイェンという男が現れて、

わたしは、

コトハさんの夢を立て続けに、二回見た。

わたしの期待もあるから、こじつけの様に思えるけどね」


「えーと……。

たしか、リクさんの前の方って、

ミズチさんって方でしたっけ?」


「そう。

ミズチさんが、こっちに来た時にはどうだったのかなぁ?

もしも。

その時にも、

何かニホンの人に関する事が、

ミズチさんに、

接触してきていたのだとしたら、

きっとニホンの人たち同士には、

何か、

そう云う法則めいたみたいなものが、

有るのかも知れない。

女神様の痕跡の発生が、

ニホンの人の転移に少なからず関与していると考えると、

あながち的外れでは無い気もしてこない?

そうすると、わたしは、

コトハさんに逢えそうな気がしてきて、なんだかとても嬉しい」


「ふふ。

スイ、とても楽しそう。

……可愛いなぁ」


「シャオ。

わたしは、絶対にコトハさんを見つけるんだ。

見つけて、連れて帰って、

いつかまたあの家で一緒に暮らすんだ」

 

「はい!

そうなったら……。

本当に、どれだけスイは幸せになれるんでしょうか……。

私もスイがそうなれるように、

本当に願っていますからね!

私、スイの為なら何でも出来ます!!」


「ありがとう。

君の様な優しい幼なじみがいてくれて、

わたしは幸せだなぁ」


スイは軽やかにそう言うと、シャオを連れて路地を出た。


「そんな……。

私の方こそ……ありがとう……。

私はずっと……スイを傍で支えていたいから……」


シャオは、顔を赤らめながらボソボソとそう言った。

スイに聞こえていたかは、わからなかった。


「とりあえずリク達を探そうか。

すっかり、はぐれてしまったね」 


「私のせいで……。

皆さん、迷ってしまって、

困って無いと良いんですけど……」


「リクが特に迷子になりそうだね。

ユンタが、しっかり見ててくれてるさ」


「後で、ちゃんと謝ります!」


「あはは。

ユンタは、面倒見がとても良いからね。

きっと、気にして無いと思うよ」


「スイとユンタさんって、

いつ頃から知り合いなんですか?」


「わたしが、コトハさんに拾ってもらってからだからね。

すごく長い付き合いだよ」


「私は、まだその頃にはスイに出逢って無いですね」


「そうだね」


「なんだか、

スイと、ユンタさんに初めて逢った時の事を思い出します」


「懐かしいね。

ユンタには、子供の頃から、

ずっと優しくしてもらって、お世話になった。

わたしもコトハさんも、

きっと、

ユンタがいなかったら、

すごく困っていたかも知れない」


「優しい(かた)ですよね」


「うん。

コトハさんには生活していく能力が、

壊滅的に無かったから。

ユンタがたくさん助けてくれて、

何とか二人で暮らして行けた。

ユンタが、コトハさんの友達でいてくれて、

本当に感謝しないと」


「ふふふ。

壊滅的って。

そうでしたっけ?」


「そうだよ?

掃除も洗濯も料理も、

コトハさんは、どれも苦手だったからね。

……わたしもなんだけど。

それに、

家計の()()りも、

とっても苦手だった」


「何だか、

浮世離れしている方だなって印象は有りました」


「少し変わった人だったと思う。

でも、わたしは大好きだ。

ユンタの事も」


「ふふ。

それじゃ、早くユンタさん達を見つけてあげないとですね?

この都の事なら、

私に何でも任せてください」


シャオは、

そう言って笑って、

曲がりくねった路地を抜けると、

一際(ひときわ)大きな通りへと、

スイを連れて歩いて行った。


◆◆

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