第五十話『救出に向かって。』
お疲れさまです!
本日の投稿分の、
2話目になります!!
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イェンの魔法で見つかった洞窟は、
入り口こそ狭かったが、
一旦、中に入ると、
人工的に造られた様に思える程、
開けた場所になっていて、
それなりの広さがあるものだった。
地下に向う様に、
暗がりの先には道が続いており、
一向は道を辿って、
洞窟の内部へと下っていった。
「奥に人が居ます。
年配の方ばっかりみたいですね」
イェンが、
魔法に依って、
視覚に届く、映像の様子をスイに教えた。
「む……、村の皆ッス!!
無事なんスよね……?!!」
「かなり、
疲労している様子ですけど。
無事だと思います」
「はぁぁぁぁぁぁ……!!!
良かったッスーーー……!!」
しばらく洞窟の地下を進むと、
一際広く、
ドーム状に、
繰り貫かれた様な、
空間があった。
そして、
そこには十数人の人間が、
憔悴し、
項垂た様子で座り込んでいた。
ロロが色々な感情の交錯した顔で、
人々の様子を伺い、
どうやって声を掛けたら良いものかと、
決めかねていた。
「………ロロさん……?
ロロさんですか……?」
中年の神父が、
暗がりで眼を擦りながら、
確かめる様にロロの姿を確認して、そう尋ねた。
「神父さん……。
……はいッッッ!!
遅くなって、ごめんなさいッス!!!
こんな所に閉じ込められて……、
皆さんを酷い目に遭わせてしまって、
本当にごめんなさいッス……!!!
全部、自分が悪いッス……。
許してもらえないかもだけど、ごめんなさいッス…!!」
ロロは言葉に詰まりながら、
ポロポロと涙を流し、
何度も頭を下げて謝った。
「………良かった……、
無事で本当に良かった……!」
それを黙って聞いていた神父は、
震える声で、ロロにそう言うと、
驚いて顔を上げたロロを見て、
堪えきらない様子で、
静かに涙を流し始めた。
「………え?」
「ロロちゃん……」
一人の老婆が立ち上がると、
よろめきながら、
ロロに歩み寄り、
ロロを優しく抱き締めた。
「あの二人組に、
ロロちゃんが酷い目に遭わされて無いか、
私達、とても心配していたのよ……。
本当に……、
本当に……、
ロロちゃんが無事で良かった……」
老婆は咽び泣きながら、そう伝えた後、
何度も力を込めて、ロロの事を抱き寄せた。
「え……? え……?」
「儂らを、
此処に閉じ込めた男が言っておったんじゃ」
別の老人も声をあげた。
「ロロちゃんを無事に返して欲しかったら、
此処で大人しくしとけ、ってのう……。
とんでもない悪党みたいな顔しとったから、
ロロちゃんはきっと、
唆されて、
何か悪事に巻き込まれたんじゃないかと思って……、
儂……、心配で心配で………、
うぅぅ……」
「私達はね、
皆、ロロちゃんの事、
子供か孫みたいに思っているのよ」
老婆はロロの髪を優しく梳かし、
愛でる様に、頭を撫でて、
ロロに向かって、そう言った。
「……ち……、違うんス……!!
唆されたのは本当なんスけど……、
それも自分が悪いんス!!
お……、
お父ちゃんが大嘘吐きの詐欺師だったから……、
娘の自分も……、
ろくでもない嘘吐きだって、
皆さんに思われてる気がしてて……、
い……、いつも優しくしてもらってたけど……、
ほ……、本当はいつか、
いつか、
また嫌われちゃって……、
お……、追い出されちゃうんじゃないかと思って……、
……み……、皆さんの事……、
う……、裏切っちゃったんス……!!!
自分はほんとに最低なんス……、
ううう……、ううう……、
ごめんなさいッス……、ごめんなさいッス……!!」
「わかっとったよ!!
ロロちゃんが、何か不安な気持ちを抱えとった事!!
儂ら、ぜぇーーんいん!
わかっとったよ!!」
「なのに……、儂ら……、
それなのに!!
いつか、
ロロちゃんも村に馴染むって、
思い込んどって……、
その不安な気持ちを、儂ら誰一人……、
取り除いてあげられんくて……、
本当にごめん!!!!」
「そうだよ……!
見とくれよロロちゃん。
儂、腰が悪かったろ?
それだから、ロロちゃんが少しでも楽になるようにって、
呪歌を歌ってくれただろう?
優しい歌だったなぁ……。
あの歌思い出すたんびに、
痛みなんかに負けとられんって、
思ってたらだんだん良くなってきて……、
なのに、儂も……、
励ましてくれるロロちゃんが苦しんでるのに……、
ふぐッッッ……ぐッッッ…えぐッッッ……、
なんも出来んかったぁぁぁーーーッッッ!
……ごめん…!!!
ごめんよぉ……!!」
「年寄りばっかりだから、
たくさん気を使わせちゃって……、
あたしら、ロロちゃんの心根が本当にキレイなんだって事、
皆知ってるんだから……、
なのに……頼り無いジジイとババアばっかりで……、
本当にすまなかったねぇ……、
辛い思いさせちゃったねぇ……!!」
「教会の催しで、
いっっつも素敵な歌を歌ってくれて……、
儂、あれが楽しみで仕方なかったんじゃ!!」
「親父さんの事なんか関係無いわい!
儂ら、ロロちゃんに、どんだけ救われとったか……!!」
「ロロちゃん……。
本当にごめんなぁ……、
優しい、
ロロちゃんの事、追い詰めてしまっとったんだなぁ……、
本当に……ううう……、
本当にごめんなぁ……!!」
村人たちが次々と立ち上がり、
涙を流しながらロロに駆け寄っていった。
誰もが、ロロに感謝と謝罪の言葉を述べながら。
「寂しい村でしたが、
ロロさんが来てくれてから、
私達は皆、心に灯りがともった様に、
暖かい気持ちにさせていただいてました。
私達はロロさんに何もお返し出来ないのに……、
苦しい思いをしているロロさんを……、
た……、た…………、
助けてあげられなかったのに!!!
こんなにも不甲斐無い私達を……、
助けに来てくれて、ありがとうございました!!!」
ロロは村人達に囲まれて、
代わる代わる抱き締められながら、
顔を、涙と鼻水でぐしゃぐしゃにして、
声にならない激しい泣き声を、
ずっと上げ続けていた。
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