第二十八話『対ゴアグラインド。』
おはようございます!!
場面変わります!!
物語としては19話からの続きになります!!
読みづらかったらすみません!!
今夜も、また投稿しますー
◆
時系列は前後し、
ユンタとツァンイーが、まだ戦闘を始める前に遡る。
スイとリクの二人は、自分たちの前に現れたゴアグラインドと対峙をしていた。
「何ををゴチャゴチャとわけのわかんねぇことを言ってんだ?
あぁ?!
てめぇらは今から死ぬんだよ。
せいぜい、どっちが多く泣き喚いて、
俺を楽しませるかの相談だけしとけやぁぁ!!!」
「アイツ、マジで狂ってんな……。
お前につられて粋ってみたけど、勝ち目あるのか?」
「どうかな。
彼がどんな能力を使うかわからないしね。
わからないのは向こうも一緒だけどね」
「でも、魔法がまだ使えないし、
お前が精霊術師だってこともバレてんだろ?」
スイはニヤリと笑って、リクの肩にそ手を置いた。
「えーと、ソアスロート君?」
「ゴアグラインドだ!!!
てめぇ、なめてんのか!!?」
「それは失敬。
ゴアグラインド君。
君はわたしの魔法を封じた時点で、
勝利を確定したように思っているようだけど、もう少しだけよく考えてみてほしい」
「あぁ?!
また時間稼ぎかよ?!
どう考えたって俺の勝ちに決まってるだろうが?!!」
「さっきも言ったけれど、
わたしたちがまだ奥の手を隠している可能性については考えてみたのかい?」
「だから!!
なんなんだよその奥の手っつーのは?!!
あるんならさっさと見せてみやがれ!!」
「それを言われて、
ホイホイと出していたら奥の手にはならないだろう」
「なにが言いてぇんだ?!!」
「やれやれ。
君と話すのはとっても疲れる。
何故なら、生理的に君のことを受け付けないから」
「こんの……女………!!!」
ゴアグラインドは怒りに身体を震わせ、
凄まじい殺気を孕んだ目でスイを睨み付けていた。
スイがゴアグラインドを挑発しているのは明らかだった。
リクにその真意は解らなかった。
戦闘力の無い自分とってはとても危険な行為にも思えたが、
彼はスイを信じることにした。
「見せてみろこの野郎!!
その奥の手とやらをよ!!?
早くしろ!!!」
「それは出来ないなぁ」
「ああん!!?」
「奥の手を持っているのが、果たしてわたしだと言ったかな?」
「んだと!!?
じゃあそっちのガキか!!?」
「或いは、二人とも奥の手を隠しているかも知れない。
君がそこまで警戒するのは、
魔法封じに干渉を受けないスキルを持っているかも知れないと思っているからだろう?
ご名答。
魔法を封じられたくらいで、
わたしが慌てていないのがその証拠さ」
「てめぇ……!!!」
「君は相当に強力な魔法の使い手だね。
だからこそ、魔法の恐ろしさが解ってる。
そうして、先手を打てなくなってしまったのだろうね。
どういうことだか此方の情報がそちらに漏れていたようだけれど、
本当にそれが確かなものだという証拠も無いし、
今の段階では立証も出来ないしね」
「ああん!!?
てめぇは精霊術師だろうが!!?」
「そうだよ。
だけど、今の君にそれを確かめる術はないね。
本当なら君を一撃で黙らせる魔法が使えるんだけど」
「んだと!?じゃあその魔法撃ってこいよ!!?
ぜってぇ喰らわねぇからよ!!!」
「え? 撃てないよ?
君たちが魔法を封じたんじゃないか」
「………ッッッ!!!て、てんめぇ……!!
本当におちょくってやがるな………!!!」
「おちょくってはいないさ。
君が多少は頭を使ってる事はわかった。
最初の印象からは随分イメージが変わったよ」
「クソがッッッ!!」
“おいおいおいおいおい……!
すんげー煽ってるんですけど……!!
だ、大丈夫なのか?
でも、めっちゃハッタリなのにアイツ本当に攻撃しかけてこないな……?
俺たちがそんなスキルを持ってるかどうかが本当にわかんねーんだな”
「ところで話は変わるんだけれど」
「勝手に変えるんじゃねぇ!!」
「君たちに情報を流していた人物というのは一体誰なんだろうね?」
「バカか!!
教えるわけねぇだろが?!!!」
「それはそうか。なんとなく、近しい人物ではないかなと考えていたんだけど」
「ああん?!教えねぇっつってんだろ?!!」
「うーーん。でも、思い当たる人物はいないなぁ」
「うるせえ!!黙れ!!!」
ゴアグラインドは相当頭に血がのぼっていたが、
攻撃するか否かを、
スイの言う通りに迷い、決めかねている。
情報が間違っていたとは思っていないが、
スイがこの窮地で妙に落ち着き払っているのが、
どうにも引っかかるのだ。
しかし、
スイが繰り返し挑発する為、
血の気の多いゴアグラインドは今にも攻撃魔法を放ってしまいそうであった。
(こんなあからさまな罠に誰が引っかかるか……!!
あのガキの情報はほとんど無かった。
とんでもなく弱そうに見えるが、それ自体がブラフか……!?
でも、魔法封じの効力も、そう長くはねぇ。
決めなきゃならねえ……!!)
「魔法使いが魔法の使えない相手にこんなにも躊躇するなんて難儀だね。
世の中には、魔法を反射してしまうスキルもある。
余りにも強すぎる魔法は、時に自分の身も滅ぼすものさ」
スイは楽しそうにそう語る。
そして、先程からのスイの様子を見て、
リクはある事に気づいてしまった。
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