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リンカーネイトリンカーネイトリンカーネイト  作者: にがつのふつか
第五章 『ワールドエンドプレイヤーズ』
155/237

『リンガレイの威厳の所在について。』





「スイ! よくぞ戻った!!」


ウクルクの都、ウィソの王宮。

国王のリンガレイの前にスイ達は通された。


「ただいま帰りました」


「うむうむ。

ラオ(イファル王)から(しら)せは入っておっての、

(よみがえ)った鬼火のロウウェンを倒したそうじゃの!」


「皆でです」


「これでまたウクルクの精霊術師の名が広まるのう!」


「国王様。それで用件は一体何でしょうか?」


「つれんのう……。久しぶりに会ったと云うのに……。

まあよい。

此度の聖域教会に因るウクルクへの侵略行為、

それに対し、ウクルクと友好関係にある各国で、

対聖域教会を念頭に置いた同盟を結ぶ運びとなった。

中央諸国を中心にじゃが、

我々は聖域教会への信仰や、各国への布教を禁止し、

聖域教徒の入国や移住を全て廃絶する事にした。

それにより、

奴らの転移魔法のネットワークも全て此方で制圧し、

破壊する」


「それはまた、随分過激ですね」


「友好関係の証でもある筈の転移(ゲート)を、

奴らが軍事利用した云う事実が発覚したからのう。

まあ(もっと)も、今回捕らえた連中は、

隣国のトリカスタンのゲートを利用した様だが」


「聖域教会の施設は、

色んなところにあちこち在るじゃないですか?

もしも教会にゲートを作っているんだとしたら、

その全てを制圧することなんて出来るんですか?」


「時間はかかるがのう」


「具体的な策は無いんですね」


「さっき決まった話じゃから……」


「それで?わたし達にそのゲートを潰して回れとか言うんじゃないでしょうね?」


「そうじゃよ」


「はぁ……。そんな事出来る訳ないじゃないですか?

どう考えても人手が足りない」


「まあ最後まで聞け。

勿論お前達だけでなく各国の実力者達が、

各々の国のゲートを攻撃する予定じゃ」


「各国の実力者」


「うむ。選択者(セレクター)

咎の旅団(ブリゲイド)絡繰(マシーンヘッド)……、中央諸国出身で大陸にその名を轟かせておる連中じゃ」


「聞いたことないですね」


「いや、多分知らんのはお前(スイ)だけじゃ。

やれやれ、

昔から他の者に興味を持たんのは知っとったが」


「そんな事ないですけど」


「……まあよい。仲良くやるんじゃぞ?」


「子供じゃないんですけど。そんな事より国王様」


「そんな事って……」


「とりあえず、一旦わたし達はラロカに向かっても良いですか?」


「ラロカ?南方の国か?」


「そうです。

イファル王に言われてラロカに行っていたんです。

そしたら、

コトハさんがラロカに居たんです」


「なんと!? 今なんと言った!?」


「え?だから、コトハさんがラロカに居たんですけど」


「コトハに逢ったのか!?」


「逢えてはいません。だから、

わたしはコトハさんに逢いに行かないといけない」


「……戻っておったのか」


「此処からラロカに向かうゲートってありますか?」


「ラロカとウクルクとは国交が無いからのう」


「じゃあ、イファルに送ってください。

イファル王にもう一度送ってもらいますから」


「う……、うん」


有無を言わさない、

スイの無言の圧にリンガレイは()()()()()いた。


「なんですか?何か文句でも?」


「い……、いや……」


「コトハさんですよ?

国王様はコトハさんに逢いたくないんですか?

あんなにコトハさんコトハさんと言っていたくせに」


「そんな事はない……。儂だって、

お前と同じくらいにコトハの事を大切に思っておる。

じゃが、あまりに突然の事で、儂にも心の準備が……」


「何を乙女みたいな事を。

わたしはコトハさんに逢い行きます。

それからコトハさんを連れて帰る。

聖域教会だのなんだのは、一旦後回しです」


スイはキッパリとそう言い切った。


「そんな……。大事な事なんじゃよ?」


「そもそも、コトハさんが戻って来たなら、

ネイジンに行く理由も無くなってしまったような」


「そんな……」


リンガレイは何か言いたげな、

しょげた表情で言葉を喉の奥に仕舞い込んでいた。


スイ達を再びイファルへと送る為に、

転移魔法の準備は進められた。


◆◆

イツカの紹介ページ作ってみました!

まだ追記で記載するかもなので仮ですが、

参考までにどうぞー


https://ncode.syosetu.com/n0280ir/2/

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