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リンカーネイトリンカーネイトリンカーネイト  作者: にがつのふつか
第四章 『二月二日と少年』
110/237

異世界篇 6 『ラオの後悔。』

本日投稿の1話目になります!



「おいおいーー。

超キナ臭いんだけど?

んじゃ何か?

この世界に起きた悪い事は、

全部ソイツら(管理者)の仕業って事?」


「そうだ。とまでは言わないけど。

だけど、僕は悪だと認識してるね。

この世界に害を為すモノだと思ってる」


「害ーー?」


「これは僕の考え方だけどね。

管理者達が行ってきた事、

僕が把握しきれている内容だけど、

世界の方向性みたいなモノに干渉を続ける行為が、

僕には、世界にとっての害に思えるんだ。

余りにも、

不自然な流れを無理矢理に造り出して、

誰にもわからない様に、

それをソッと張り巡らして行く。

考えただけで、何か気持ち悪くない?」


「そう言われてもの。

わっち達には、ピンと来んのじゃが」


「国王様の他に、管理者の存在を知っている人達って?」


「詳しくは教えてやれないんだ。

だけど。

一人は始教皇。聖域教会のトップだ」


「口軽ッッッ笑」


()()()()は、

どっちかと云えば擁護派だけどね。

下手したら、管理者と繋がっていて、

と云う可能性も僕は疑っている、

いや違うかな、

()()()()()

最早、その疑念は確信に近い。

それと、

聖域教会とネイジンは、実質、

始教皇の傀儡の様なものだからね。

他の国と国交を持ちたがらなかったり、

入国が難しかったりとか、

やたらと秘密主義なのは、

管理者の存在を隠蔽する為の、

隠れ蓑の可能性もあるね」


「そんな国が、痕跡の世界一の保有率を誇るんかの?

どう考えても怪しかろ?」


「ちょい待って。

アンタ(ラオ)さ、

ネイジンが、そんなヤベー場所だって知ってて、

七年前にコトハが招集されたのを止めなかったの?」


「知ってたよ。だから、後悔してるよ」


ちょまちょまちょま(ちょっと待て)……、

アレ……、なんだろーー?バカなのかな?

コトハ、アンタに代わってくれって頼んだんだよな?

何で代わってやんなかったんだよ……?

そんなヤベーとこに、コトハ送り込んだのかよ?

……返答次第じゃ、マジでぶっ殺すぞコノヤロー……」


「ユンタさん……!!落ち着いてください……!!」


「ユンタ。駄目だよ」


「クアイ君、スイ、ゴメン。

でも、ちょっとマジで頭来ちゃった……!!

おい、王様。

ちゃんと説明してくれんだろーな……?」


「やれんの。

ユン姉、こげ(こんな)所で、

召喚術なんか使うたら、やれん事になるけ。

ちょっと落ち着きんさい」


「僕も王宮を壊されるのは困る。

話を少し聞いてもらっても良いかな?」


「聞いてやるっつってんだろコノヤローーー!!!」


「僕がコトハを止めなかったのには理由がある。

一つはね、この間も言ったけど、コトハ自身に、

ネイジンに行かないといけない理由があったから。

これは、コトハの意志とは別に。

もう一つは、コトハが僕よりも強かったからさ」


「だからって!!」


「ユンタ。

君は、この世界でコトハと一番長く過ごしたんだ。

彼女の能力の事は、君はよく知ってるだろう?」


「……」


「この世界で、

過去から現在に至るまで、

天恵者(チート)と呼ばれる存在の中で、

コトハよりも強かった者を、僕は知らない」


「……だから、

危険な場所に行かせても平気と思ったとか……、

おめーらバカじゃねーの……?」


「バカだった。

僕達は、幾ら強いと言っても、

一人の女の子を危険に晒してしまった。

そして、彼女の大切な娘と友人にも、

長い間辛い思いをさせてしまった。

スイ。ユンタ。

本当に、すまなかった」


ラオは玉座から立ち上がると、

スイとユンタに頭を下げた。

床に、額を擦りつける様にして。


「だから。

僕はコトハを君達の元に帰したい。

本当にそう考えている。

聖域教会とネイジンが、

コトハの居場所を知っているなら、

全力で叩き潰して、

それを聞き出す。

必ず、約束する」


「……ホントにそんな事出来んのかよ?」

 

「やる。

しかし、その為には、まだ力が足りない。

君達にも、協力をして欲しい。

長く生きた、老人の愚かな誤ちの尻拭いを、

させてしまう事になるが」


「僕としては」


突然、それまで黙っていたイェンが口を開いた。


「聖域教会が保有している、痕跡と、

女神の魔法に関する資料、

その他諸々を、提供していただければ。

勿論、全部とは言いませんが」


イェンは言葉を続けた。


「それと、貴方(ラオ)の知っている、

管理者の情報を僕達にも共有してもらえますか?

世界を好き勝手に造り変えてきた、

この世界の暗部。

おそらく、その暗部と、

女神、転移してくる異世界人(日本人)

全ては無関係では無いでしょう。

非常に興味が湧きます」


「そんな事知ってどうするの?」


「スイさん。魔法や、

その他に存在する不思議な力は、

この世界の全てだと貴女は思いませんか?

魔法(その)の根源を解き明かすのは、

僕達、魔法使いの使命ではないでしょうか?

その為に、世界の深淵に触れる事が、

僕にはとても重要な事に思えます」


「わたしにはよくわからないな」 


「……まあ、いいです。

イファル王、そういう訳で、

僕達(ソーサリースフィア)は全面的に協力をします」


◆◆





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