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リンカーネイトリンカーネイトリンカーネイト  作者: にがつのふつか
第四章 『二月二日と少年』
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異世界篇 4 『そもそも。』

更新遅くなりましたが、

異世界篇 第4話です!


新たにブックマークありがとうございました!


明日も投稿しますのでよろしくお願いします!



「それで!? どうなんですか!?

さっさと答えて下さい!!」


シャオはそう言ってイェンに詰め寄っていた。

凄まじい剣幕で。


「いや……、

僕はこの間、初めて貴女達に出会ったんですよ?

それなのに、元カレ? 昔の恋人って意味ですよね?

それはどう考えてもおかしいでしょう……」


「ちょっとマスク取ってください!」


「いえ、ですから……、仕事の業務内容的にそれは……、

少し落ち着いて下さいよ……」


貴方(イェン)が素顔を見せてくれれば、

全て解決する話です!」


「どうしてそうなるんですか……」


イェンは声を搾り出してそう言い、溜め息をついた。


「わっちも気になるの。

スイちゃんは、そういうのには疎いと思うとったのに」


「いや、だから元カレじゃないよ。

ミナトは、昔ウクルクに居た転移者だよ。

ただの顔見知り」


「顔見知りと、ちゅーするんかの?」


「だから……、それはね」


「無理矢理! 無理矢理です! ね!?」


「やれんの。この男、色魔か」


「はぁ……、何かもう恥ずかしくも無くなってきたよ」


「スイから恥じらいさえも……!」


「スイちゃん! 

おじさんにちゃんと説明してくれるかな!?

このままじゃ、おじさん、

コトハちゃんに合わせる顔が無いよ!!」


「あの……」


イェンがおずおずと声を上げた。


「イェン殿!! 今、取り込んでいるのだが!?」


「クアイおじさん、落ち着いて」


「クアイ殿……、

一旦、ガコゼさんの護送を済ました方が……。

それに、一度、冷静になって頂いた方が、

僕の話も聞いてもらえるんじゃないかなと……」


◆◆


「イェン。君も(ルーファン)に来るの?」


「そうですね。

聖域教会がどう出るのか分からないですが、

イファルと我々(ソーサリースフィア)の連携についてて考えなければなりませんしね」


「君は使い走りだと言っていたけど、

そういう役回りもするの?」


「人手不足ですから」


「つーーかさ、人手不足っつーけど、

ソーサリースフィアって、

どんくらいの規模なん?」


「ゴアグラインドやツァンイーの様に、

金で雇った非正規のゴロツキも含めれば、

それなりの人数は居るでしょうが、

正確にはわかりませんね。

僕が把握していて、顔も分かるのは、

幹部の二人、それから正規のメンバーが四人ですね」


「少なッ!!」


「ハツは?どのくらい知ってるの?」


「……私も一応、正規だけど、幹部には会ったこと無い。

他の正規のメンバーも殆ど……」


「僕達は、

基本的にメンバー同士で余り接触をしませんからね」


「どうしてそんなに秘密主義的なの?」


「知りません。

幹部曰く、組織のトップの方針だそうですけど」


「ふうん。変なの」


「ちょっとは歯に衣を着せて欲しいですが……」


「それで。

君はそのよくわからない組織に所属をしている」


「はい」


「そこに至るまでに、どういう理由があったのかな?」


「理由……。考えた事が無いですね」


「理由を?そんな事ある?」


「有り体に云えば、

僕も、この世界と同じく、

女神の力に魅せられているんですよ。

全てを思うがままに出来る、圧倒的な能力。

そんなもの、何処を探しても他に無いでしょう?」


「本当にそれだけ?」


「それだけです」


「その圧倒的な能力を使って、何するの?

世界の征服でもするの?」


「それを決めるのは僕では無いですね。

僕は恩恵にさえ与る事が出来れば充分です」


「強くなりたいって事?」


「まあ、ざっくりと云えば」


「どうも君は強さに執着があるみたいだね。

充分強いと、わたしは思うけど

皆の能力を調べて回っているのも、

仕事だから。と云うだけでは無さそう」


「そうかもですね。自覚はあります。

他人の能力の把握をする、

癖の様なものが染み付いてしまっています」


「キモーーー」


「ユンタ」


「まあ……、何と思ってもらっても結構です」


「ところでさ、君って、

ソーサリースフィアに入る前には何してたの?」


「入る前……」


「訊き方を変えようか。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」


「……」


「答えれないのかな?」


「そんな事は……」


「はぁ……。もういいよ。

よく分かった。

君は多分、記憶を喪失している。

そう云う事で良い?」


「何故そうなるんですか」


「君がミナトなら、そう言いそうだから」


「だから……。僕はミナトと云う方では……」


「スイちゃん。余計なお世話かも知れんがの、

その男は嘘をついとる訳じゃ無さそうじゃ。

わっちは虚実の匂いを嗅ぎ分けられるからの」


「うん。わたしもそう思ってる。

イェンは嘘をついてない。

()()()()()()()()()()()()


「ふむ」


「記憶を操作して、

別人としての意識を刷り込まれていたとしたら。

それを行った人物が、

ソーサリースフィアのメンバーの誰かだとしたら。

今、直接関係の無い話題だけどね。

()()()()()()


「解決するべきかの?」


「うーん。

イェンがミナトだとしたら、

訊きたい事があるんだけどね」


「何じゃ?」


「コトハさんと同じ転移者だから。

手がかりが何か有れば良いなと思ってたんだ。

でも、この調子じゃ無理かな」


「スイさん……。僕は転移者では……」


「うん。もういいよ。とにかく、

今はガコゼの件が先だ。

それに、リクも探さないと」


「忘れてたね笑」


「そう云えば……(リク)の姿が見当たりませんが……」 


「居なくなっちゃったんだ。突然」


「……それは転移ですか?」


「わからない。

本当に突然だったから。もしかしたら、

転移者は、ああやってフラリと、

此方の世界に来ているのかも知れないね」


「そーーーいえばさ、ソーサリースフィアって、

女神の魔法技術の研究もしてんだろ?

そーーゆーー魔法ってあんの?」


「転移魔法ですか?

有るには有りますけど……、僕が知っているのは、

転移と便宜されてますが、

世界間を行き来する様なものでは無いですね。

そもそも、転移者を女神が呼び寄せていないのなら、

女神の魔法体系にあるものでは無いかも知れません」


「じゃあ、あの人達(異世界の人々)は、

一体どうやって、此方の世界に来るんだろうね?」


◆◆◆

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