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リンカーネイトリンカーネイトリンカーネイト  作者: にがつのふつか
第四章 『二月二日と少年』
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異世界篇 1 『可能性について。』

本日投稿分、2話目です!




「え!? なになになにーーー!? 

アイツ(リクっち)何処!? 消えたん!?」


「さっきまで、そこに居たッスよね!?」


「どうかの?この辺りで何か反応はあるかの?」


「ちょっとぉ、わかんないかもぉ」


「……(リク)の魔力が微弱過ぎて。

その辺の小動物とかと区別がつかない……」


「これって、まさかリクさんが、

また転移をしたって事でしょうか?」


「うーん。リクは本当に突然、

この世界に来たと言っていたから、

信じがたいけど、その可能性もあるのかな」


「そうは云うても、転移なんて代物、

魔法以外の方法で、そう簡単に出来るもんでもなかろ?

転移に相当する様な、他の魔力なんて感じんかったがの」


異世界(日本)特有の、

こっちの世界には無い(ことわり)や法則があるのかな。

ヤエファの言う通り、魔法や装置無しで、

転移をする事なんて、わたし達には想像が出来ないね」


「大丈夫なんスかねー……。ていうか! 

うわ!! ビックリした!!」


ロロは突然大きな声をあげた。

ミンシュが、

いつの間にか自分の腕に巻き付く様にして、

隣に居たからだ。


「ロロたむーーー♪ 

さっきのロロぺー、

めーーーっっっちゃカッコ良かったーー♪

ロロちょがーー、歌うとこ見て、ミンシュ、

ほんとにキュンキュンヤバかったーーー。

可愛くてカッコ良いとか、マジ最強ーー♪」


「名前を統一する概念は無いんスね……」


こりゃ(コラ)、ミンシュ。

あんたも姿が見えん思うたが、何処へ居ったんじゃ」


「げ。

ヤエちゃんーーー。ごめんなさいですーー。

ミンシュ、

ゾンビとかアンデッドNGじゃないですかーー?」


「知らん。わっちだって、別に好きじゃないけ」


「あーーーん。怒んないでくださいーーー」


「逆に、あの状況で何処に隠れてたんだヨ」


「そーだし。ミンシュずるいし。知らんけど」


「レイフォンもメイもごめんーーー♪」


「軽いんだヨ!」


「ま。

そりゃ()えわ。

とにかく、リクちゃんが何処へ行ったんかを、

調べにゃならんの。

クアイちゃんが来とるなら、

ガコゼも易々と逃げられんじゃろ」


「でも、魔力が感知出来ねーーーんなら、

探すの無理じゃね?」


「仕方無かろ」


「もう帰って来れないかな」


「ん?」


「リク。此処にはもう、戻って来れないかな?」


「あっちこっちに、行き来が出来るものなのかは、

わっちには、わからんが。

突然、リクちゃんがおらんくったんじゃからの、

出来るものだと考えた方が、建設的じゃの」


「建設的」


「そうじゃ。

大体、女神の思召(おぼしめし)で、

よその世界から来とる時点で、

わっちらの考えの及ぶところでも無かろ?

簡単に諦める方が野暮(ナンセンス)じゃ」


「そうかな」


「そうじゃ。ほいじゃけ(だから)

そげ(そんなに)哀しそうな顔をしんさんな。

疼いてしまうでの。

それとも、誘っとるんかの」


「違う」


()いヤツじゃの」


◆◆


ガコゼはクアイの率いる兵士達に取り押さえられ、

魔力を封じ込める拘束具に依って、

既に魔法を使えなくさせられていた。


「よ。ガコゼ。久しぶりーー」


「ユンタも居ったんかい!! 

イカれ女(ヤエファ)だけかと思うとったのに、

お前まで、ワイを殺そうっちゅうんかい!!」


「ダッセ」


「おまけに、えらいゾロゾロ連れて来やがって!!

俺の殭尸、皆おじゃんにしくさりやがった!!

どないしてくれんねん!!」


「殭尸じゃねーーだろ。ロウウェンだ」


「あのアホンダラ!! 

折角、死んだ後にも有効活用したろ思うたのに、

使えんやっちゃでホンマ!!」


「おちょくって、

どうにかなる状況でも無いと思うがの?」


「おしまいなんは、お前らや!!

ワイは聖域教会の特使やぞ!?

こないな真似して、

教会と喧嘩する覚悟はあるんやろな!?」


「教会がお前を守るならの。

ほじゃけど(だけど)

ロウ兄の居らん様になったお前を、

教会は本当に必要とするかの?」


「じゃかあしい!!

ロウウェンが居らんようなったかて、

ワイは一人で軍隊を造れるんやぞ!?

死の恐怖を感じん、殭尸の軍隊や!!」


「とりあえず、(ルーファン)へ護送します。

国王直々に、取り調べに立ち会うとの事です」


「クアイ君。あのさーー、その前に、

コイツ一発殴ったらマズいかなーー?」


「ユンタさん……。お気持ちは察しますが……」


「腹立つーーー!!」


「ユンタ!! お前も、ワイと同類やぞ!!

戦争終わってから、人間に巧いこと取り入って、

()()うとして生きとった分、

お前の方が性質(たち)悪いかも知れへんな!!」


「……んだとーーー?」


「ロウウェンを嵌めて死なせたワイを、

殺しとうて仕方あらへんのに、

見逃し続けたんは何でやろな!?

平和惚けした生活から、

抜け出すんが怖かったんやろが!?」


───『“黙れ(チャウカオ)”』


ガコゼの唇は、

縫い付けたられた様に固く閉じられた。


「不愉快な男だろうなとは思っていたけど、

ここまでとは」


「んーーーッッ!! んん!!? んーーー!?」


「うるさい。

君に訊きたい事がある。

クアイおじさん。良いかな?」


「勿論さ」


「ありがと。

ガコゼ。七年前に、ネイジンで行方不明になった、

コトハと云う女の人を知ってる?

わたしに、嘘は通用しないから、

そのつもりで返事をしてくれ。

分かったら、右手をあげろ」


◆◆

読んでくれた方、ありがとうございました!


第3章は、

2つの物語が、平行して進んで行きます


“イセカイ篇”と“異世界篇”、 


イセカイ篇は、元の世界に戻ってしまったリクの視点から、


異世界篇は、リクが消えた世界での、

スイ達の行方を描いて行きます!


明日からも、投稿続けますので、

よろしくお願いしますー



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