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ここが家
「サキにぶっつけないよ、うちわやりたい」
「・・・ああ、そうだな・・・。あおぐくらいなら・・・タツヒコにもできる・・・」
こどもの名が、自然と口をつき、息をのみこんだ。
風がとまったせいか、赤ん坊がぐずぐずと目と口をあけはじめた。
「サキが暑がってるから、まだタツヒコに変わらないでくださいな」
女の声がしたほうを振り返る。
そこには、出会ったこともない女が汗を腕でぬぐい立っている。
土間があり、かまどがある。
せまい家だが、ヒコイチがすむ家とちがい、もうひと間となりに部屋がある。
いや、ここが、おれが住む家か・・・。




