生き残った番神様
もちろん、ゆるふわ設定神様です。
このシリーズのはなしで、山がでると、でてきます。。。
「 この裏の山をこえたところに、猟師小屋があって、そこに『ヤヘエ』っていうじいさまがいるんだが、 ―― そのじいさんに、この手紙をわたして、キヘイジさんのことをきいてみろ。 おれの思い違いなら、そのじいさんはわらってヒコさんを追い返すはずだ。 だがな、―― あたっていたら、『道』を教えてくれる」
「『道』を?」
「 ヤヘエさんは、『番神様』の血筋のじいさまよ。 ヒコさんは、山育ちだっていうから、知ってるんじゃねえかい?」
「ああ。じいさんが、半分猟師みたいなもんだったからよ。 山にはいるときは、必ず『番神様』に手をあわせて、無事を願ってからはいったもんさ」
山の神様と人のあいだで『番』をするのが『番神様』だ。
山神様の気分にあわせて、変わりやすい山の天気がもつようにご機嫌をとり、人が、山の幸をとっても腹をたてないよう、なだめ、年に一度は、山神様をよろこばせる祭りを取り仕切る。
むかしは、巫女のような特別の力をもつ人たちで、もちまわりで番をしていたが、その家系が途絶えてしまい、かわりにその家系の人たちの『名』を配した像を、『番神様』として祀っているのだときいた。
それの、生き残った番神様がいるのか。