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かくしがね
「 ・・・ちょいと時間がかかるな。 あと、もどってきたときに、目減りしてるかもしれねえけど、それでもいいかい?」
量るように、片手で紙にまかれたかたまりをゆすった。
「 そりゃ、かまわねえけどよ。マチさんはもういらねえって言い張るんだが、大家は、こどものためにもつかえるようにしろ、ってな」
「そりゃそうだろ。 だがなあ・・・その、キヘイジさんてエのは、どうにも、めんどうなスジにみこまれたのかもしれねえなあ・・・」
めずらしくため息のようなものをもらし、うつむいた。
「『めんどうなスジ』?」
「こりゃあ、きっと、『かくし金』だ」
「・・・はあ?」