表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

マネマネ

「出来たっ!」


「どれどれ」



………………ん?



「……セツさん、いきなり、上手くなりましたね?」


と言うか、作風が全然、違う。


こんな書き方、今迄、出来なかったのに。


明らかに可笑しい。




「……セツさん、この話、貴方がブクマしてる、


 HN『モモジヨロズ』さんの小説に、似てますね?」


「うん!モモジヨロズさんの小説、面白いから、俺もこんな風に書きたいな、って」


彼は、得意気に言う。


「……セツさん、それは駄目です」


「えっ?」


「それはね、盗作って言うんです。


 下手したら、著作権で訴えられ兼ねない」


「えぇっ!?」


彼は、酷く動揺した。


「お……オマージュだよ!オマージュ!」


「セツさん、オマージュの意味、解って言ってます?」


「え、え~と……何か、人の作品を元にして、別の作品を創る、みたいな……?」


「どーせ、セツさんは、新しい言葉を覚えたから、使いたいだけでしょ?」


「そ、そんな事!」


「じゃあ、パクリとパロディとオマージュとリスペクトとインスパイアの違い、説明出来ます?」


「なっ!?何語!?」


「……そんな基本的な事も知らないで、下手に、人の作品に、手を出さない方が良いですよ?


 大火傷します。


 例えば、歌手の歌う、歌の歌詞を、小説にその儘、引用したら、


 著作権侵害になります」


「そうなの!?」


「『小説家にな●う』なら、歌詞の転載についてのガイドラインは、こうなってますね」


つ [ガイドライン・歌詞転載に関して]


「こんな細かい規定があるんだ……全然知らなかったや……」




「シ、ショウ君……!」



「どうしたんですか?」


「モモジヨロズさんが、作品、削除してる……!


 ほら見て、Twitterで……!」



パクられました!


ショックです!


私、もう、筆を置きます!



言わんこっちゃ無い。


「そんな……俺、モモジヨロズさんの小説、好きで、ずっと読んでたのに……」


「そりゃそうでしょ。


 作者からしたら、自分が必死で考えたアイディアを、他人に一瞬で掠め取られたら、


 気分が良い訳が無い」


「うぅ……」


「アンタだって、自分の小説、完コピされたら、嫌でしょ?」


「それは困るよ!」



翌日。


「ショウ君!出来た!」


「どれどれ」



……相変わらず、誤字脱字は酷いし、


文法の間違いだらけだし、


句読点はまともに打ててないし、


読むのが苦痛なレベルで、下手糞だ。


下手糞だけど。


「……前より、良くなったと思いますよ。


 成長しましたね?」


「わーい!


 あのね、今回の小説はね、ここの所がね……!」



はしゃぐ彼を見詰め乍ら、


俺は、大きく息を吐いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ