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ストーリー
「どんなストーリーの小説を、書きたいんですか?」
「えっとね!主人公は、チート能力者で、
異世界転生して、
眼鏡っ娘のヒロインと恋に落ちて、
ギルドの仲間達と冒険の旅をして、
伝説の聖なる剣を見付けて、
悪の大魔王を倒して、
生き別れの父と再会して、
親友が闇堕ちしてライバルになって、
悪役令嬢が……」
「…………その話、どの位の長さになるんですか?」
「へっ?」
「何万文字、書くつもりですか?」
「え~と、100万文字位?(知らんけど)」
「……誰が読むんですか?」
「えっ?」
「実績も無い、
無名の、ズブの素人が書いた、
100万文字超えの小説
って、読む気になると思います?」
「え」
「読者だって、暇じゃ無いんです。
それ、誰が、最後迄、読んでくれるんですかね?」
「え…………」
「最初に書くのは、短編からです。
先ずは、最後迄、読んで貰わないと」
「い……異世界転生する話、で……」