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7話 三人の優良王子。


 7話 三人の優良王子。


「10000年の間に、多くの女性を見てきたが、君以上の女性なんて一人もいなかった」


 と、センがそう言ったところで、

 ノコの顔が、少しムっとなった。


「……多くの女性を見てきた……ね」


 急に、怖い顔になった彼女に怖気づくセン。


「ど、どうした、ノコ?」


「……いえ、別に。その10000年の間に、あなたは、どれだけの逢瀬おうせを重ねてきたのかしら、と、ふと、そんなことを思ってしまっただけよ。気にしないで」


「逢瀬? はは……みっともない話だが……俺は、いまだに、誰とも付き合ったことすらないよ。10000年も生きておいて、情けない話だ」


「……は?」


「君を救うことだけを考えて生きてきた。それ以外のことを考える余裕はなかった。俺は不器用だからね。……そういう意味でいうと、俺はヒドく空っぽだ」


「……」


「ノコ。君が幸せにならないと、俺は空っぽのままだ。だから、どうか……俺のためにも、幸せになってほしい」


「…………わかったわ、セン。あなたのためにも……あたしは、いっぱい幸せになると約束する」


「ありがとう」


 そこで、センは、

 アイテムボックスから、三枚の紙を取り出して、

 それを、ノコに渡しながら、


「この一万年間の中で、君の伴侶はんりょにふさわしい相手も、何人かみつくろっておいた。出来のいい王子は少なかったが、この三人は合格ラインだ」


「……は?」


「どうかした?」


「えっと……ちょっと、よく分からなかったから、もう少し、詳しく、話を聞かせて。今、私は、何を見せられているの?」


「恋愛=女性の幸せ、なんて短絡的な考え方はしていないけど、愛する人と暖かい家庭を築くことで幸せになっている女性を、これまでの人生で何人も見てきた。強制する気は毛頭ないけれど、もし、誰かと一緒になることを望むのであれば、この三人の中から相手を選んだ方が、幸せになれる確率は高いと思う」


「……へー、ほー……ふーん」


 そこで、本気で不機嫌になったノコは、

 三枚の中から、テキトーに選んだ一枚をセンに見せながら、


「この人とか、カッコイイと思うんだけど、あなたはどう思う?」


「ああ、サムハンか。そいつはかなりいいよ。見た目だけじゃなく、中身もだいぶ優れている。それなりに大国の王子だから、格としても申し分ない」


「この人も、カッコイイなー」


「ラーチャイか……そいつは、一見、おしゃべりなナンパ野郎なんだけど、実は胸に熱い思いを秘めていて、民のために頑張ろうとしている、なかなかのナイスガイだ。サムハンの方がいいと思うけど、ノコが気に入ったのなら文句をいう気はないよ」


「この人も、悪くないかもー」


「コーリラか。前の二人と比べたら、少し、顔がよくないのが問題だな。ノコにふさわしいかというと、ちょっと微妙。ノコには、出来れば、最高の男と付き合ってもらいたいってのが俺の本音だ。もちろん、そいつがいいというのであれば、俺は全力で応援する。ただ、サムハンの方が質は高いと思うぞ。サムハンは、とにかく顔と家柄がいい。ノコと釣り合っている……とまでは言わないが、不釣り合いすぎるというわけではない」



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