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57話 あやふやなファントムトークという奇異な重複。


 57話 あやふやなファントムトークという奇異な重複。


 『センカスタムを受けたネオ・ヘルズ覇鬼』が、

 『本当に優秀なモンスターである』というのが、

 今回の闘いで、ハッキリと証明された。


 パラミ・グリディアール第二王子、『存在値450』。

 バーサミー・グリディアール王、『存在値470』。

 ラミル・グリディアール王女、『存在値410』。


 さらに、パラミが召喚したヘルズ覇鬼とアクアゴブリンロード。


 そんな彼・彼女らの猛攻を一身に受けたネオ・ヘルズ覇鬼は、


「ギィイイ! ガァアアア!」


 優勢だったころよりも、はるかに深い輝きを放ち、難敵たちに抵抗していく。

 これが『不屈の魂魄』が持つ効果の一つ。

 劣勢に立てばたつほど、むしろ、奮い立つと言う特異なスペシャル。


 ネオ・ヘルズ覇鬼は頑張った。



「ギギギギギィイイ!! ガガガァアアアアアッッッ!!」



 歯をむき出しにして、魂の限界を探究していく。

 命の華が萌ゆる。


 ――このクソ劣勢の中、どうにか一矢報いて、

 ヘルズ覇鬼とアクアゴブリンロードを始末し、

 ラミルの腕に、


「きゃあああっ!」


 一刀をたたきこむことに成功した。

 『超高速の飛翔する斬撃』を回避するのは非常に困難。


 ラミルの腕を完全に切断することはできなかったが、

 大きなダメージをあたえることはできた。



「……グッ……ギ……」



 精一杯抵抗して結果を残したネオ・ヘルズ覇鬼は、

 最後、満足そうに笑って、この世から消えた。


 そんなネオ・ヘルズ覇鬼に、センは、


「さすが、俺の召喚獣だ。面構えが違う」


 ボソっと、そんなことをつぶやく。

 妙な言葉遣いだが、センは、昔から、そういうところがあった。

 突発的に、『奇妙な言い回し』が口をついて出る。

 その傾向は、10000年の中で熟成され、気を抜くと、『ファントムトーク(中身のない言葉で世界をケムにまく、無意味で空虚なトーク術)』を乱舞するようになってしまった。


 ――センがネオ・ヘルズ覇鬼を称賛している間、

 王族連中はラミルの回復に没頭していた。

 ラミルはだいぶ過保護に可愛がられている存在らしく、

 ラミル王女を傷つけたということで、

 バーサミー王もパラミ第二王子もブチ切れ顔になった。


 パラミが、センをにらみつけ、


「貴様……完全に私を怒らせたぞ。王族を傷つけた者が、どれだけの報いをうけるのか、その身に叩き込んでやる」


 ネオ・ヘルズ覇鬼を突破したことと、

 ラミルを傷つけられたことで、

 アドレナリンが大量に放出されたのか、

 士気全開でセンと対峙する王族連中。


 そんな彼らにセンは、


「さぁて、叩き込まれるのはどっちかなぁ」


 ニィっと笑いながら、


「――ネオ・ヘルズ覇鬼、召喚」


 そう言って、あらたなネオ・ヘルズ覇鬼を呼び出そうとする。


 それを見て、一瞬だけ焦ったパラミだったが、

 すぐに、


「わ、我々なら、もう一体、ネオ・ヘルズ覇鬼を相手にしても討伐は可能。さすがに超王級を三体も召喚することはできないだろう! 父上、ラミル、もうひとふんばりです! ここをこえれば、さすがに、やつも魔力がつきるはず!」



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