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51話 『侯爵令嬢トワネ』VS『第二王子パラミ』


 51話 『侯爵令嬢トワネ』VS『第二王子パラミ』


「――そなたは、我が子バッパーの婚約者、ブルムンド侯の娘だな。そこにいるナイトは、そなたの婚約者である我が子を殺した稀代の大犯罪者である。そのぞくにシッポをふるとは……いったい、なにごとだ」


 怒りをぶつけてきた。

 その言葉に、トワネは何も言えない。

 そこで、センが、


「バッパーだけじゃない。お前ら王族は、今日、全員死ぬ」


 堂々と言い放った。

 すると、第二王子の『パラミ』が、


「ふざけたことを!! 父上、あの賊を殺します! よろしいですね!」


「ダメだ。捕まえよ。殺しては、ことの真偽を確かめることが出来ん。もし、これが、リブレイの侵攻であるのなら、その是非を問わねばならぬ」


「くっ……か、かしこまりました」


 そう言いながら、パラミは、前に出て、


「頭のおかしい『れ者』め。天誅をくだす!! ――うぉおおおおっ!」


 そう言いながら、拳にオーラをこめる。

 そんな彼を尻目に、センは、


「トワネ、あいつを止めろ。できなければ殺す」


 そんな無茶を言われたトワネは、ギョっとした顔になり、


「え?! いや、ちょっと待ってください! パラミ第二王子は、バッパー王子ほどではないですが、優れたスペックを誇る超天才です! 私では――」


「じゃあ、俺と殺し合うか? 別にそれでもいいが……あいつと俺、どっちが怖い?」


「……」


「俺を相手にするぐらいなら、あの第二王子とやりあう方が、まだマシだと思うぜ」


「……せ、セン……様……どうか、もう、お許しを……本当に、反省しました……私が愚かでした……もう二度と、他者に迷惑はかけません。誓います……ですので、どうか……どうか、お慈悲を――」


 と、必死になって懇願するトワネに、

 センは、冷淡なまま、


「くるぞ。構えた方がいいんじゃないか? 死にたければ、別にそのままでもいいが」


 その言葉通り、

 パラミ王子が、両手に膨大なオーラを込めた状態で、

 殴りかかってきていた。


 トワネは反射的に、


「ぐぅっ! ど、ドリームオーラぁ!」


 バリア系のF魔法で対抗する。

 命がけの魔法なので、

 パラミ王子の『雑なジャブ』に耐えるぐらいはできた。


 ガギィイツ!


 と、まるで鋼をはじいたような音が響き渡る。


「私の拳をはじくとは……さすが、ブルムンド侯の血族……魔法使いとして、素晴らしい才能を持っている。そんな、素晴らしい才能を持つ君が……なぜ、グリドに逆らってまで、そんな下賤の者の下についている?! その者は、あなたの婚約者である兄上を殺したクズだろ!」


 そんなパラミ王子の言葉に、トワネは、ギリっと奥歯をかみしめながら、

 心の中で、


(好きでついているわけじゃないわよ! ていうか、助けてよ! くぅう……もぉおお、なんで、こんなことにぃ……っ! 誰か……誰でもいいから助けて! センエースを殺して! あの狂人を、誰か殺してよぉおおお!)


 トワネは、出来れば、パラミ王子に助けを求めたかった。

 けれど、センの前でそんなことをしたら、間違いなく彼に殺される。


(パラミに負けたらセンエースに殺される……でも、私じゃあ、パラミには勝てない……どっちみち死ぬ……い、いや……死にたくない……死にたくない……っ)



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