表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/85

33話 家族も恋人も友人もいない、孤高を貫くセンエース。


 33話 家族も恋人も友人もいない、孤高を貫くセンエース。


 カスみたいなチンピラをボコボコにするセン。


 殺してしまわぬように、気絶させてしまわぬように、

 『絶妙な調整が施されたパンチ』の連打を、

 問答無用で、無慈悲に、チンピラへと叩き込む。


 10000年の中で得た『力のコントロール』は完璧。


「て、てめぇえ! 俺は、アブライ・ファミリーの構成員だぞ! こ、こんなことして、タダですむと――うべぇええ!」


「普通はただじゃすまないだろうな。俺に家族がいた場合、その家族ごと殺される感じかな。あと、友人・恋人がいた場合、そっちにも報復の手は届くだろう。――どうだ? 俺の考え方に間違いはあるか?」


 そう言いながら手を止めると、

 チンピラは血を吐きながら、


「そ、そうだ! 全員、殺してやる! ただ殺すだけじゃないぞ! 徹底的に凌辱してからころす! 泣こうがわめこうが、土下座して許しを請おうが関係ねぇ! とことん追い詰めた上で――」


「残念な事実を教えよう。俺に家族はいない。恋人も友人もいない」


「……」


「俺は孤児だし、仕事も特殊だったから、恋人や友人をつくるヒマなどなかった。まあ、俺の場合、性格的に『独りでいるのが好き』だから、状況が違っていたとしても、友人に囲まれた生活なんてことはありえなかっただろうが」


 センは、10000年の永きを過ごしてきたが、その間に、友人と呼べる存在は一人もつくらなかった。


 もちろん、センは、『先達者』たちから、多くの『学び』を得てきた。

 『闘い方』にはじまり、『アイテムの作成方法』や『秘術や秘儀』について。

 各分野のスペシャリスト達に『教え』を請い、真髄を叩き込んでもらった。


 それは『誰かに教わるのが好きだから』ではなく、『最短距離』を進むため。


 ある程度、コツや真髄をマスターしてからは、ずっと、独りで、

 もくもくと、地道な鍛錬・基礎修練・下地作りに励んだ。


 しんどくて地味でつまらない『基礎固め』を、

 『独り』で、延々に、黙々と積み上げることができる。

 ――それが、センの有する最も特異的な能力。


 その特質を持った上で10000年の時を過ごしたから、

 センは、ぶっちぎりで世界最強の領域にまで届くことができた。


 ……チンピラは、



「じゃ、じゃあ、財産だ……お前が持つすべてを奪い取る」



 センの『言葉の重み』から、『家族も知人も友人もいない』という話が『嘘ではない』と判断し、『ならば別のものを奪ってやる』と息巻いた。


 しかし、それもセンには通じない。


「なんも持ってねぇよ。俺はただの剣だ。俺のものは、すべて、『ノコ』のもの」


「……ノコ? ノコ・ドローグか?!」


 そこで、チンピラは目を見開く。

 ノコ関連の話は、つい最近、上から聞かされたばかり。


「リブレイの聖女……聞いているぞ。あの女は、リブレイの王子に上等をかまして、お尋ね者になっていると! は、はは! なるほど、お前、逃走者ノコ・ドローグのナイトか! いいことを聞いた! 持っているじゃないか、守るべきものを! それをつぶしてやる!」


読んでいただき、ありがとうございます!

「面白かった」「続きが気になる」と少しでも思っていただけたなら幸いです。

ブックマークと評価をしていただけると、すごく嬉しいです(*´▽`*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ