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最強改め、最凶のセ○ム…自宅は無いけど




報告ついでにラギアを連れて王都のギルドへ戻ってきた。だってラギアがひっついてきて離れなかったんだ…。それを見てギルマスは我に言った。


「お前は一体、何者だ?」


うん?何だこのリテイク感。我ここ最近で何回これ聞かれたっけ?


「アリス。冒険者。以上!」

「そういう意味では…!」


無い、と言葉を王都のギルマスが続けようとするものの、料理長とラギアが我の前に出て視線を遮りついでに言葉も遮った。


「冒険者は訳ありが多いから無理に追求しないというのが暗黙の了解の筈だぞ腹黒」

「アリス様が何者か?アリス様に決まっているだろうが。それ以外に何の回答がある」


…下手に我の事を聞こうとするから、最強のセ○ム×2が発動してしまったようだ。もう知らん。

しかし、流石は王都のギルドマスター。他のギルマス達は大体押されて退いて行ったのに、押されつつも留まった!素晴らしい!


「だ、大体、大物が揃いも揃って何で1人の少女に謙る!?普段王族にも他国の要人にも頭を下げない慇懃無礼な奴らがそんな態度を取る相手が変な少女だぞ!何で疑問を持たずにいられると思うんだ!」


……ごもっとも!尤もすぎて我びっくり。ほら、リィが感動しているぞ!常識人が居たワ!意思疎通出来ないのがモノすっごく残念ッって騒いでいる!!…………変な少女?今我の事変って言った?…何だリィ?気のせい?……そうか。


さて、しかしなぁ、ギルマスよ。世の中には知らん方がいいこともあるはずだ。


だって困るだろ?

料理長は単純に仕えたくて屋敷を出てきたなんていわれても。

ラギアに至っては前世で魔王をしていたときの配下で、生まれ変わっても我の元に付きたくてここにいると言われても。

どうせ冗談だろう、さっさと本当のことを言えとか言い出すだろう?


しかし、それが真実なのでそれ以外に答えようがない。我は困ってしまう。我が困ると料理長達が原因排除に動く。結果、ギルマスがもしかしたらギルマスでは無くなってしまうかもしれない。定年退職前に謎の辞職に追い込まれないよう心配しているのだ。優しいだろう?



そんな騒動を経て、我に言われて渋々仕事を片付けに行ったラギアが戻ってきて数日。我らは再度ラギアの屋敷を訪れていた。

何故って?


「今日のフルコースは自信があります!」


ラギアが何故か料理にはまってしまったのだ。いや、別にいいけど。美味しいし。ただ…。


「料理長の方が美味い」

「ありがとうございます、アリス様」


晴々とした笑顔で我に恭しく礼をする料理長に対し、ラギアは材料分量全てレシピ通りなのに何故と全身全霊で悔しがっている。料理長の料理より我好みのもの作るの、無理だと思うのだが。


『料理長様はアリス様のその日の体調に合わせて微細な調味コントロールを致しますものね』

『朝起きた時の挨拶で見極めてるとかもう変態の域ヨネ』


変態呼ばわりはやめてやってほしい。正直我も少し背筋が凍ってるけど。やっと慣れてきたから。


何故ラギアが料理をしているのか?

…うむ。この元配下は今世でも我に仕えることを選択した。そこで料理長同様、我の衣食住を快適にする為に先ず、ラギアの屋敷に住むことを提案してきた。

しかしそれは我により即座に却下された。何故ならラギアの屋敷で並んでいた料理より、料理長の料理の方が美味かったから。ここまで舌が肥えてしまった今、露店の買い食いや外食以外の食事はそんじょそこらの料理では、我を満たせない。

まさに、料理長なしにはいられない舌にされてしまった…!胃袋掴むって本当に重要なことなのだな。それを証明してくれる料理長には尊敬しかない。


…ああ、話が逸れたが、何故ラギアが料理をしているのかというと、現在の我に必要不可欠な料理長に嫉妬したから。

料理を食べ続けていた我に対して、ここに住めばいつでも食べられますよ!とセールスしたのに、我が「料理長のご飯の方が美味しいから別にいい」と返事したのがかなりショックだった模様。今度からは言い方に気をつけようと思うが、やはり料理はラギアの完敗である。


「アリス様…」

「却下だ。料理長が納得するだけの料理かつ我に料理長よりも美味いと言わせない限り、ここに移住は考えない」

「し、しかし、このまま根無草などあるまじきことです!」

「…それに関しては私も同意します。アリス様。拠点は必要です」


拠点…。確かに。大所帯だしなぁ。ラギアは魔術師としての仕事があるし、お貴族様なので基本的に自分の家在住として…。そろそろルシアの同族たちの何人かも目覚める頃だろうし。


「アリス様のお側に居られない!?やはりボイコットを…」

『した場合、アリス様から縁を切ると言われたのでは?』


……そんな無言でいじけるな。ルシアも笑顔で言葉をかけなくていい。前世合わせたらうん千歳のいい大人たちだろうに。


「拠点にするなら、王都かエディン…か?」

「どちらも冒険者には住みやすいですしね。ただ王都に関してはギルマスにいいように使われると思います。エディンについては…物の流通が少し偏るかと。それから地代の差はありますね。やはり王都の方が便利な分、高めに設定されていますし」

「そうです!王都の当家の別荘に「王都に居を構えるつもりはない」……」


捨てられた犬のような顔をされても。可愛くないぞ。


「エディンにもだ。

私は気分で色々な場所に行きたい。となれば数ヶ月待ちに戻らない時もある。土地を持っていても無駄だろうし」


料理長が意外そうな顔をした。まあ、そうだろうな。ではどうするのか?


「だからといって帰る家が欲しくないわけじゃない。枕変わると寝れないし」

「アリス様は繊細ですからね」

「環境の変化に敏感ですから、仕方がないですね」


うむうむ。ラギアも料理長もよく分かっているな!


「そう言う訳で、ならば家自体が動けばいいと思わないか?」


それこそ、土地ごと。

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