良き友人になれそうだ。…多分
こんにちは。
今日はもう一本更新します。時間は20時です。よろしくお願いします。
『上機嫌で私も嬉しゅうございます。アリス様』
「うむ!」
あの後マリムとは和平を結んだ。というか、友人と認めた。だって自分と我、どっちが可愛いと思う?と聞いた答えが、
「そんなんアリスちゃんに決まってるでしょーが!」
だったから。即答だったな。
…ああ、別に我が可愛いと答えたからと言うわけではないぞ。寧ろボクの方が可愛い!と迷いなく宣言されても認めてた。
なぜなら、彼女は一片の迷いもなく答えたから。自分の答えが間違っていないと自信を持って答えられる。それは中々出来る事ではない。
……まあ、自信満々に自分だと答えた場合、友人としては認めるが、服屋に連れて行くのはしばらくお預けするつもりだったが。
因みに、マリムは既にギルド職員に回収されて此処にはいない。どうやら大事な会議を勝手に抜け出して来たようだ。
『まったく。自分の立場に応じた責務を放棄するだなんて、躾以前の問題ですわ!』
「……ウム。ソウダネ…」
……気持ちは分かる。ものすごく分かる。大事な会議ほどすっぽかしてやりたくなるよね!我もよくやったものだ…。
マリムとは良き友人になれそうだな…。
ともあれ、以前冒険者1可愛いの称号にケチをつけられた件に関しては、エディンに戻り次第、マリムの方が可愛いと言った冒険者を吊し上げる事に決定。
我の方がかわいいって、ご本人公認だもん。
暇になったので、先程マリムから聞いた話を思い出す。
例の依頼書を見て皆飛び出していった。か。
「魔獣暴走かぁ」
『何か気になる事でもございますの?』
「…おかしいだろう?」
『まあ、そうですわね』
ルシアと我の知る事実として、魔獣(魔物の中でも特に獣の形をしているもの)は、住処を追われたり、何か害を与えられたりすれば反撃するし、あと自分より弱そうな獲物は狙ったりする事もある。
ただし、無意味な暴走は起こさない。
街が襲われたと言うなら、そこには何か理由があろう。魔獣の森を切り拓いたとかそういうやつ。そうでないなら追われている?北西部というと、国境近くか?なら隣国から追い立てられた可能性はあるが、国境を越えれば追ってこない筈なので、街まで襲撃されそれが続くなどあり得ん話だ。
まあ、そこはもう起きているらしいので後々原因究明ということになるのだろうが、おかしいのは備考のあたりだ。
「睡眠薬や痺れ薬を試す理由が無い」
『ええ。暴走状態の魔物の類は総じて興奮状態。薬なんて効いていたとしても多少動きが鈍くなるだけで大した効果は無いですわね。…というか、効いてくるのも遅いものを何故わざわざ使ったのかしら?』
「……それは暴れ回っている魔獣達は、殆どが魔獣ギルドに所属する謂わば…"飼われた魔獣"だからです」
料理長が帰ってきた。必要な事は全て話し終えたから、さっさと退散してきたらしい。窓から。はて。窓は緊急出入り口ではなかったか?そんなに急ぐ状況だというのか。
「今回のこの暴走、何か裏があるとお考えなのでしょう?
上の方もそう思っているらしく、数名を除くAランク冒険者以下には魔獣討伐の通達、従魔を持っている冒険者については速やかに従魔を拘束、事態収束まで予め眠らせておくようにと指示が下っているようです。
原因は分かりませんが、従魔達が暴走となれば、外だけではなく街の中の警戒も怠れません。アリス様も従魔を隠しておくべきでしょう」
うむ。と、納得した様子を見せておくが、正直な話、リィを通常サイズに戻さない限りは仔犬にしか見えんと思う。
それにしても、従魔が…。そうか…。
……リィが暴れたら、我とルシアと料理長は問題ないとしても、他の冒険者生き残れるだろうか。
『…恐れながら、…息をしていたら御の字でしょうか』
「普段はアリス様の仔犬といっても過言では無いほどですが、…フェンリルですしね」
だよなぁ。……その後我が蘇生させるのは面倒だしな。いざとなったらリィは料理長に結界玉に閉じ込めてもらうとしよう。
「それから魔獣の群れが西回りで街を襲っているので、…そろそろエディンが危険な頃かと」
おっと。それはいかん。折角跳ね橋亭を直したのに、またあの夫婦が高利貸しに引っかかってしまうではないか。あのガトーショコラみたいな小悪党がのさばる事になるのは困る。
だって、エディンの店で出してる料理は、料理長が認めるほど美味いから。
……戻ってきて早々蜻蛉返りとは、随分な徒労だな。
まあしかたあるまい。
「今すぐエディンに戻る」
読了ありがとうございます。




