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知らぬ間に下僕が増えていた




翌朝早朝、ヘビの胴体と入れ替えるように(おいしそうな部分はもらった)商業ギルドからの荷物も受け取り、我々は商隊護衛として港町を出発した。


「お嬢ちゃん、頼むから化け物出てきたらすぐ隠れてくれよ!?俺にはお前さんくらいの孫がいるんだ…」


再三、本当に我が護衛に加わるのかと確認されたけど。この可愛らしくて強ぉいアリスちゃんが護衛で何が不満なのだ。我、憤慨。見れば可愛さに癒され、しかも戦えば強くて安心だというのに。


「そりゃ、こんな見た目のガキが激強って言われても冗談だと思うだろ…」

「なんだと?……それは我がか弱そうで可愛いと言う意味か?」


ならよし!


まあ、我が可愛らしいのは自然の摂理なので置いといて、渋った商隊長がそれでも渋々了承して、我が護衛任務に付いているのには理由がある。


「アリス様アリス様、喉は渇いていませんか?」

「飴玉もありますよ?」

「…アリス様、背負う…」

「うむ苦しゅうない。どれも要らん」

「「「御意」」」


この、今までの道中商隊の護衛をしていたCランク冒険者パーティーが、我なら大丈夫とゴリ押ししたからである。以前盗賊に捕まり簀巻きにされた際に、我が助けたとかなんとか。あのツルペタ商人の一件だな。女性がいるので思い出すのにそう時間はかからなかった。

そしてなんだかんだで我に心酔したらしい。呼べと言った覚えはないが、名前を知るや否やアリス様と呼び始めた。うむ。良き心がけだ。


我に対して低姿勢が過ぎる冒険者達に対して、ゾドムはポツリと呟いた。


「…こんな所に被害者が」


被害者て。




港町を出て早6ルタ。昼飯も問題なく食べ、順調に進み続けている。

平和すぎて何もやることがない。ここ半日我がしている事と言えば、外敵見つけてたまに指示を出していることくらいだ。つまり退屈である。そろそろ暴れてきてもいい?


「…道中散々ウルフの群れとか火吹き蜥蜴とかを討伐した上、盗賊捕まえて平和とか……常識ってモン知ってるか?」

「護衛任務には多種多量なモンスターと、盗賊が付き物だって料理長は言ってたぞ」


…ああ、料理長も普通では無かったのだったな。そもそも普通とは何だ。それはどこで測る?普通の中の普通とやらを連れてきてもらいたいものだ!


「まあな、モンスターは兎も角盗賊が待ち伏せしてるってトコは間違ってねえ。

問題はここの道でこんなにモンスターとかが出てくることだ。お前の口ぶりからして、まだ居るんだろ」

「うむ。この先しばらく進んだ所に。エディンを見下ろす切り立った崖の付近だな。森の木々に隠れるようにして沢山。角度的にエディンの見張りも気付いておらんだろうな」


 

この場所からは余程の探知能力が無い限り我の言う場所に本当にモンスターが居るか真偽は不明であろうが、この場に我の言う事を疑う人物はもはやおらん。


道中散々危険なものを察知した瞬間に伝えてきたからな。商隊長も最早慣れたもので、先触れに誰か急いで行くか?と聞くほどである。先程も我が自分の体の5倍はありそうな魔物を秒で仕留めたのを見ていたので、正直我さえ護衛に残っているのなら安心くらいにおもっているのだろう。


「取りこぼすと面倒そうだから我が行く。周辺全方位に人影は無し、魔物もウルフがちまちまといる程度だ。群れもないし馬でもない限り追いつきそうに無いくらいは離れている。お前たち、問題なく守れるな?」

「「「お任せくださいアリス様!」」」


よし。いい返事だ。


「俺はお前の護衛でもあるからついて行くぞ?それに下手すると任務放棄にあたる。ペナルティー…程度怖くないかお前は」


商隊長にだめ?と聞いてみれば、軽く許可くれた。


「その付近を通ることになるからな。安心して通れるならそれが一番だ。お嬢ちゃんは強いし、大丈夫なんだろ?」

「無論だ。倒し切り次第戻ってくるし、一応防御の為の魔法結界も張ってから行く」

「依頼主の俺らが許可するから、行ってきていい。ペナルティーなんか間違っても落とさせないぞ!」


依頼人が良しとするなら問題ないのだろう。ゾドムも黙った。


「アリスちゃーん!怪我すんなよー!」

「うむ!」


長老(商隊長の父)がまるで可愛い可愛い孫を危険な場所に送る時のように涙目で見送ってくれた。そこまで感情移入されるとは。万が一我が死んだとしても状態回復の魔法で綺麗な死体になるだろうから、そんなに心配しなくていいのに。


我はリィに乗り、ゾドムは馬で先へと向かう。リィに怯えず走るとは、良い馬だな。男前だ。…何?牝馬だと?これは失礼した。最高級の迷宮産野菜を差し出すので寛大に許して欲しい。我、反省。


こそこそとゾドムが我の示したあたりを偵察し、数を確認。自分では手に負えない事を確信して戻ってきた。


「俺は(流れ弾で死なない為に)手出ししないから、なるべく早く終わらせろ」

「我に命令すんな。問題ない」


多分そんなに時間かからんし。

リィも一応、と確認して、げんなりしている。わかるぞ。アレら全てを一体ずつ相手にしようとしたら流石の我でもお腹がすくもんな。


『…どうするつもりかしラ?』

「やることは簡単だ」


全て動けなくしてしまえばいいのだ。



読了ありがとうございます。

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