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楽しみにしてたのにひどい詐欺に遭った



「おいコラクソガキ。大人しくしてろって言ったよなァ?」

「人の頭を鷲掴みにするなと習わなかったのかドムチョ」


エディン帰ったらギルドに訴えんぞ脳筋。


…こほん。いかんいかん。基本喧嘩腰になるとどうにも言葉が乱れる。リィがショックで寝込むから気を付けないとな。


我は今、この街のギルド会館に来ている。どうも商業ギルドと冒険者ギルドは、隣り合った建物を繋げて1つの会館として存在しているらしい。行き来が楽でいいな。


昼過ぎにここについたら、昨日会った職員の案内で応接室に通され、お茶と菓子が出てきて、ゾドムが来るまで待たされていたのだ。

昼過ぎに宿の我の部屋がもぬけの殻になっていることに気付き焦ってここまで来たらしいドムチョは、我の頭から手を離しはしたが未だに睨みつけている。


キャー、コワイー。


…可愛こぶってみたけどリィの反応はイマイチだった。元々の外見は可愛いから大丈夫?そうか、ならよし!


そんな時、


「《お待たせしましたぁ》」


まあ我には負けるだろうが可愛らしい声がした。


今にもドムチョから無駄な説教が始まりそうという時に、ドアを開けて入って来たのは、まるでビスクドールのように整った顔立ちの少女…………ではなく、めちゃゴツい機械人形だった。ゴング(*)型の機械人形がメイド服を来てそこに立っていた。


……。



「我のトキメキを返せっ!!」


期待したのにっ!ここにくるまでの噂で、ギルド長、合法ロリって聞いてたから期待したのにぃ!!


「《えええっ!?そんな事言わないでよぅっ!声は可愛いでしょ!?しかもこの身体はさっき完成したばっかりの最新モデルなんだよ!?》」


ゴングでもクマでも何でもいいからせめて頭部を可愛い顔にして出直して欲しい。切実に。


「《だ、ダメ…?》…ここまで不評とは思わなかったなぁ…」

「時間の無駄だからやめろと言っておいただろ。待たせてすまないな、2人とも」


中に入ってきたのは、つい先程実験に失敗して爆発起こしてきましたよと言わんばかりの格好の少年と、きっちりスーツを着こんだ女性だった。男装の麗人、ナイス。後者に関して我のテンション爆上がり。


「やあこんにちは!僕商業ギルド長のルーエン!今回はありがとう!助かったよ。お礼にと思って、僕の最新作のお披露目してみたんだけど…お気に召さなかったみたいだね」


子供には結構人気なんだけどなぁ。と至極残念そうに言うが、我見た目は子供中身は魔王だし。

…そんな事より、なんでこんな子供が商業ギルド長をしているのだ?


我の表情から何か読み取ったのか、明らかに落ち込んだ様子で、


「い、一応僕、成人してるから…。…副官の方がギルド長っぽいっていつも言われてるけど…」


と言う姿があまりに哀愁塗れていたので、とりあえず手持ちのお菓子の中から棒付きキャンディーをあげた。馬鹿にしてるかって?……ノーコメント。


それにしても…なんとびっくり。ロリじゃなくてショタだったか。……というか、年齢的にショタじじいというべきか。我の守備範囲外だな。ロリババアは歓迎するのだが。嫌いじゃないぞ?守備範囲外なだけで。


そんな感じで純粋に慰めるフリして、可愛らしい人形を持たせたりふわふわした飾りの耳つけてみたりする。ショタジジイは子供である我が善意でやっていると思っているのか、必死に耐えている。ウケる。

しかし、飾られる側も我が提供する飾りも素材はいいせいか、似合う。物凄く似合う。我とユニット組んだらとりあえず世界を目指せると思う。


「そ、そろそろやめてほしい、なぁ…なんて…?」

「…めいわく…?」


我は秘技、童女の涙目を発動。

ショタじじいは沈黙した。


一頻り飾って遊んで満足したあたりで、一部始終を止めもせずに笑顔で見ていた女性がとうとう口を開いた。



「私は冒険者ギルド長代理のクレアだ。妹からいつも話は聞いているよ、アリスちゃん」

「む?妹?」


ブーツに包まれた足のつま先から、キッチリと整えられた髪までをじっと見る。じっくりと見る。すらっと長いパンツを着こなすその美脚に見覚えがある気がする…。黒タイツとタイトスカートが似合いそうな気がする…。


『エルサの姉じゃない?』


それだ。リィは似た匂いがすると言う事で判断したらしい。流石我が相棒。

今度スリットの入ったタイトスカートのスーツをクレア殿に贈ろうと思う。


「エルサからよろしくねとさ。…まあ、とはいえ、明日の早朝に護衛任務でアリスちゃんは帰ってしまうから、何か世話を焼く必要もないだろうけど。…今から食事にでもいこうか?」

「クレアが行くなら僕も行くっ!」

「代理の私と違って、仕事が立て込んでるだろ」


そんなの副官に任せるもん!とショタじじい…ルーエンが言い張っている。それでいいのか商業ギルド長…。


「オイ、食事だの商品だの煩えぞ。それより、さっさと手続きを済ませてくれ」


おっと、居たのかドムチョ。

ルーエンの登場により、完璧に我の意識から消し去ってしまっていたゾドムよ。

ギルド長達の登場により姿も霞んだゾドムよ。


「わざわざギルド長が2人も揃って出てきた理由があんだろ?」


……そりゃそうだ。



読了ありがとうございます。


ゴングはゴリラのような生物で、何故か子供に大人気です。

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