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はしゃいだ結果、下僕ができた



あの後割とすぐに宝石が出てこなかったと諦め出てきたモヒカン達をゾドムが秒で締めて簀巻きが2つ出来上がった。


「な、何でお前らこんな元気なんだよッ!あの怪物は!?」

「倒した。そこのチビが」

「んな筈ねえだろ!?上手く切り抜けて逃げ出しやがったな!」

「暴れるならここに置いてくぞ」


暴言を尚も吐き続けるが置いていかれるのは相当嫌だと言う事で、もがくのをやめた。ゾドムが担いだ。くっ…!やはりいい筋肉…!!ヒョロいとはいえ男を2人も余裕で担ぐとは…!


「ゾドム、そのモヒカン達は頼む。我、ばっちいのには触りたく無い」

「へーへー…、本当に俺は帰り戦わなくていいんだな?」

「うむ!」


モヒカン達は我では直ぐに魔物に喰われて終わりだなんたらとうるさかったので(ガトーショコラに始末しろとか言われてたんじゃなかったっけ?)、閉じない口を逆に閉じることが出来ないように口に無理矢理収まるくらいの氷塊ぶち込んだ。勿論魔法だ。こんな性根もばっちいやつらに、我の可愛らしい手で優しく氷塊をねじ込んでやるなんてやだからな。


「リィも暴れるか?」

『…そうネ、朝食前に軽く運動しようかしラ』


我の頭の上から降りたリィが元の大きさに戻る。うむうむ。大きくなっても綺麗でサラサラの毛並み。我、感動。ふわふわ。


『あん。…もう、ご主人ったらアタシの毛並み好きねェ』

「うむ!」


リィが我に好きにさせつつも唸ってもがくモヒカン達を睨みつけた。煩いの嫌いだもんなー、リィ。洞窟って響くし。

モヒカン達は悲鳴をあげて黙る。ゾドムも驚いたようだった。あれ?見た事なかったか?そうだとも。この姿こそがリィの正体!もっと慄け平伏すがいい!


……まあいっか!


リィの毛並みを堪能したところで、早速外へと出ようではないか。




ところで、我が偶に迷宮を作っていたのは、全て勇者をおちょくる為なのだが、どうして迷宮をわざわざ作っていたと思う?


答えは単純で、魔力さえ供給すれば我がわざわざ蘇生してやらなくても、予め設定した魔物であれば倒されても補充されるからである。

入り込んだ勇者達は強力な武器や珍しい宝を求めて奥へ奥へと進み、強力な魔物を倒しそして、何もない行き止まりに辿り着き、落ち込んで帰る際には倒したはずの魔物が出現しているのだ。楽しいだろう?


つまり何が言いたいのかといえば、この迷宮もまた時間が経てば倒した魔物と同じ魔物が出現すると言う事だ。あのヘビに関してはまた違う要因で住み着いたものだろうから、復活する事はないだろうがな。


「あはは!」

『きゃっ!ご主人!アタシを巻き込まないデ頂戴!』

「おっとすまん、楽しくてつい」


行きはこんなに魔物いなくて、ドムチョが全て片付けた為、我はヘビの所まで魔法の一つも使わなかったからな。

いつからあるのか知らんがこの迷宮を作った奴、中々いい性格してると思う。帰り道には倍以上の魔物が出るように設定してるのだろう。でも奥の方にちゃんと宝石転がしてるから良心的。


そんな迷宮の帰り道をリィと共に進む。リィが最初に獲物と決めたもの以外が我の獲物。

既に氷漬けにしたり、水に閉じ込めたり、一つ残らず蹴り上げたり、風魔法で捌いたりして進んできた。

魔物が現れる度騒がしかったモヒカン達は出口寸前にはもう黙りだった。何故か徐々に静かになっていったんだ。口の中の氷塊は溶けてもう喋れるようになったのに。


「おい、お喋り共。先程までの威勢はどうした?死んでるのか?」

「い、生きてますッ!」「お気になさらずッ!」

「煩い」

「「申し訳ございませんッ!!」」


生きてた!驚くほどいい返事が返って来たな。

でもうるさい。もっと静かに返事しろ。


そこから更に数回魔物と遭遇し、やっと外の光が見えたのだが、遠目に見える出口の様子がおかしいな。外には問題なく通じているが…。


リィが唸る。我も足を止めた。それに伴いゾドムも止まる。


「どうした?」

「出口がな。変なのがいっぱいいる」

「…頭数が必要か?」


ゾドムがちらっとモヒカン達を見た。コイツら出したところで頭数に入らんだろう。


「我1人で十分だ。焦げても文句を言わなければそれでいい」


先行させて出口の様子を確認させた影から把握したものは、描写するにはあまりに悍ましい。あまり言いたく無いので簡潔に。


うねうねとカサカサとベタベタがたくさん。


ぞわぞわ。嫌なぞわぞわ。

こういう時は焼き払うに限る。




「もうちょいどうにかならなかったのか?!死ぬかと思っただろ!?」

「ええい、煩いぞドムチョ!焦げても文句を言うなと言っておいただろう!」

「生きてた…」「よかった…」

「全く、火傷程度でそこまで喚くなど情けな…」


我のお陰で無事迷宮の外に出ると、それはいた。

ただ静かにそこに立っていた。

人の形をしたそれは、我を見据えて、そして消えた。


『ご主人?どうしたノ?』


リィに問いかけられた。どうやら今のは我にしか見えていなかったらしい。


「…いや、なんでもない」


リィはそれ以上追求しなかった。

簀巻きを置いて火傷の薬を使おうとするゾドムに回復魔法をぶつけておいた。簀巻きは…


「えっと、木に吊り下げておけばいいのだったか。……周辺にウルフいるけど」

「「ヒィッ!?」」

「回復魔法もお手の物ってか…。まさかお前が何度か不穏な発言してたのって、死んでも生き返らせられるからとか言わねえよな?」

「「死ッ…?!」」

「ははは」

「はぁ、流石に蘇生は無えか」


使えないとは言っていない。しかしリィに止められたので言わない方が良いだろう。


さて、我らが迷宮から出て直ぐ、エディンのギルドから連絡を受けたこの街の冒険者ギルド職員が、屈強そうな冒険者を連れてやってきた。恐らくモヒカン達の引き渡しなのだろうが…。

明らかにモヒカン達が安堵したので、やはり吊るして一晩放置したいという我の主張に対し、


「すみませんでした許してください!」

「命だけは助けてくださいッ!絶対に!今後一切ナメた態度とりません!」


「…グトーの命令でも?」


「あんなチビでハゲの言うことはもう聞きませんから!」

「そうです!あんな成金に大金積まれても絶対に!」

「お嬢ちゃ「アリス様と呼べ」アリス様に忠実な僕になりますから!」

「お願いしますアリス様ッ!」


だから助けて、吊るして放置しないでという大のモヒカンの情けない懇願は、中々に見ものだったのでその場でギルド職員に引き渡した。


「ばあ」

「「ひぃいいいい!????」」

「…あ。泡吹いた」


ついでに、迷宮の奥にいたヘビの頭を取り出して討伐報告見せてやったらモヒカン達は気を失った。チキンめ。

読了ありがとうございます。

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