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足りなくて帰宅したら増えてた

お久しぶりです。

今回からまたアリスちゃんメインに戻ります!



アノクが胃痛過ぎて倒れたが胃薬のストックきれてしまっていたから、仕方なく一度帰宅した。


いや色々あったのだ。教授達が我を止め置いたのは我に教えを乞いたいからだとか、灼華が縛ったのが入学して間もなかった第五王子だから今すぐに謝罪をしろとか。

勿論、


「やだ。帰る」


と、毅然と断って灼華とアノクを連れて、元々馬車を置いていた場所に転移し、王都へと馬車を進ませた。

だって料理長もラギアも、一方的に悪い事をしていない限りはやりたく無いことをしてやる義理はないと言っていたもん。(この時点でアノクは一度胃痛で呻いた。肝の小さい男だな)


王都に着いてさて、ではどうやってあちらに我が来たことを知らせようかと思っていたのだが、数日宿に滞在していたら、迎えが来た。


アリステラの母の生家だという伯爵家から。


いや、アリステラ母亡き後、恐らく我の境遇を知らないでも無い筈の母の生家が干渉してきた様子はない事から、関係性は冷え切っていると思い、かなり警戒した。

警戒して、よかった。



宿の一室に通した際、使用人を連れて入ってきたその貴婦人は、我を見るなり頬を紅潮させて感極まったとばかりに目に涙を浮かべ…


「リュシャの小さい頃にそっくり…!」


と、我を人形よろしく抱きしめた。


その後暫くの間、無言で我の両頬を両手で混ぜたり髪を漉いたり頭を撫でたりまた抱きしめたり。……スキンシップ、過多過ぎてつらい。


それは側付き達が止めるまで続いた。もっと早く止めてくれ。


取り乱した貴婦人はアリステラの母の姉らしい。………姉かあ。…姉という存在に関して、アリステラは少々、…いや、小さくない抵抗感がある。仕方あるまいが…うむ…。

それはともかくとして、恨みがましい目を我が従僕(仮)に向ける。


「アノク…」

「すみませんすみません!だって殺気無かったし…!」


確かに無害だけれども。むしろ多分アリステラ母とアリステラを純粋に、…純粋に?好きなのは十分伝わった。でももういい。お腹いっぱい。


「えっと、おばさ「シルヴィアよ〜」……」

「シルおばさまでもなんでもいいわよ〜。おばさん単体以外なら」



……圧、強い。


そんなこんな、突然現れたシルヴィア殿は、陛下とやらからの言伝を賜ったそうな。


「"リビルド殿下との謁見を許可する。日取りが決まり次第伝令が下る。それまでに一度ヴェイン殿下と会い、問題の解決を。"とのことよ。アリスちゃん、王子様釣り上げちゃったって本当なの?」

「…まあ」


確かに吊り下げたな。我の部下が。


「あらあら!まあ仕方ないわね。第五王子は…オイタが過ぎたもの。そろそろ誰かが噛み付く頃だと思ってたわ〜」


縛り上げただけだが。我の部下が。というか、……自国の王子の扱い、軽ッ。我、配下達にこんな扱いされたら悲しくて拗ねちゃう!ちょっと同情した!


「そんなことより!もしよければうちに来ないかしら?伝令は私か、家に直接届くのよ。それにアリステラちゃんの祖父母もまだ健在で、貴女に会えるのを楽しみにしてらっしゃるの」


祖父母。……なんだか、急に血縁が増えてきてアリステラが戸惑っているのだが。反応がイマイチな我に対して、シルヴィア殿は苦笑して、考える時間が必要よねとつぶやいた。そして数日後再度訪れると言うと帰っていった。(この後アノクは腹を押さえて倒れた。薬使い切ったのに)


……で、我の方針は既に決まっているので良いのだが、少し困り事が出来た。


具体的には果たし状と書かれたものが届いた。我に決闘を申し込むそうだ。相手が勝ったら我はそいつの所有物(この場合料理長とラギアが相手とその一族諸共を領土ごと消し炭にする)になる。我が買ったらいつぞや縛り上げたことは不問。…縛ったの、我じゃないけどな。


要求が釣り合わねえだろうが。


殴って首吹っ飛ばして元に戻すを暫く繰り返せば自ずと負けを認めて黙ると思うのだが、それやったらだめかな。リィは近くにいない為、常識人に話を聞こう。


そこであのシルヴィア殿が帰って以降、寝込んでいるアノクの部屋にきている。


「アノクー、生きてるかー?」

「…ッ、……!」


常識人とやらの知能を借りようと思ったが、しかし、その常識人はどうやら痛過ぎて言葉も紡げないほどらしい。大丈夫かなコレ?我が踵で鳩尾に蹴りかました時より苦しんでるけど。


看病を任せておいた灼華がそろりと、我の腰に抱きついてきたので、とりあえず頭を撫でておく。


『主様、コレは少し不味いかもしれませぬ』

「え?そんなにか?」

『ええ。腹の中から"喰われて"腐ってきております故』


灼華は元々獣だしな。肉(獲物)の状態を嗅ぎ分けられても不思議はない。その灼華が言うのだから、腐ってきてるのだろう。


………"喰われて腐っている"?


「…それはまずいな」


アノクに対して時間停止の魔法をかける。光が多少複雑な紋様を浮かべて消えるとアノクはその身体・状態の全てが停止する。これで痛みも苦しみも何もない。ぶっちゃけ仮死状態。


「…うむ。非常に不味い。一度戻るぞ。灼華はアノクを頼む。来客その他諸々は全て無視していい。体調不良とでも言っておけ。強行突破してきたら正当防衛を理由に焼いても構わん」

『承知しました!』


るんるん。と、早速火加減の確認を始める灼華に少々不安があるが仕方あるまい。早く戻ればよかろう。……最悪塵になってても直せないこともないからな。


そんな訳で、我は帰宅した。…のだが。


そこにはそこで、非常に不味いものが待っていた。そして我は塩をまき散らしながら確信したのだ。


魔導国に、もうすぐ近くに、ロリ・ショタコンのど変態野郎がいる!と。


読了ありがとうございました。

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