表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夏休みファンタジア  作者: 和本明子
42日目 魔女が現れた
1/34

-1-「夏休みの最終日」

   ①


 八月三十一日。


 この日は義務教育ぎむきょういくを受けている大半の学生たちにとって、約四十日もあった夏休みの最終日だろう。


 長きにわたった夏休みが終わろうとしているのに、夏休みの宿題は終わっておらず、今この時でも数多くの学生たちが夏休みの宿題に精を出して片付けようとしているのもしれない。


 その中の一人、小学四年生の“風真光カザマ ヒカル”は朝早く起きて、夏休みの宿題に取り掛かっていた。


 今日中に残っている宿題を終わらせなければならない。しかしヒカルの心の中では、既にあきらめ風が吹き荒れていた。


 それもそのはず。残っている宿題は――


・夏休みの宿題の定番“夏休みの友”は三ページしか手をつけていない。

・課題プリントは名前欄なまえらんに名前を書いただけ。

・お馴染みの日記は三日分のみ。三日目の内容に至っては、その日の天気しか書かれていない。

・夏休みの工作なんて、ホームセンターで買った工作キットを組み立てただけ。

・読書感想文は本を読んでなければ、そもそも指定された本を買ってもいない。

必須課題ひっすかだいとしてせられていた自由研究じゆうけんきゅうは当然のごとく全くのノータッチ。これが一番ヤバイ。


 ――などと膨大ぼうだいだった。


 そこでヒカルは、ある『選択』を決断することになった。


「もういいや!」


 ヒカルは机の引き出しに封印していた携帯ゲーム機(封印期間:四時間)を手にして、家を飛び出したのである。


 逃亡という、はたから見れば愚かな行為だが、当の本人ヒカルにとっては、最良の決断をしたと思っている。


 逃げても何も解決しないというのにね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ