95話『不法滞在』
「というわけでサンニースと言う男が情報を持っていたので拷問で吐かせました、場所は街道を通って少し茂みの方へと向かったこの男の隠れ家みたいな場所です、でもどうしてそんなものが必要なのだろうか、この時のために作っていたのか?」
時になりつつ聖はデリクスに報告を札でしていた。
するとデリクスは
『……そのサンニースって男はこの国ものじゃないぞ』
と言った。
それを聞いて聖は
「どういうことでしょうか? ここに住んでるなら名前が記録されてるはずじゃないですか? デリクス様も言ってたようにこの国に入る時に名前を記載させられましたし、滞在日まできっちり書かされましたよね? それに住むにあたってはこの国の住民の記録に入れないと人口が分からないからということで住民税と一緒に確認が去れるって聞いてましたけど?」
と聖は教えられた情報と統合して確認をした。
するとデリクスは
『おそらくその男は不法滞在だろう、この国を誰も知らない方法で勝手に滞在したんだろう、入国手続きすらされていない』
それを聞いて聖は
「つまり、この男は皆が当たり前にしている登録も手続きも住民税も全部無視して勝手に住んでいたってことですか?」
『そうだろうな、それに君たちがいるそこは誰も住んでいないむしろ我々の余った土地として国が買い取って放置しているところだよ、もし住みたい者がいれば土地代を頂いて権利を譲るための手続きが普通なら行われるがその男は放置されていることをいいことに勝手に家を建てて住んでいたのか……全く、常識のない奴はこんなバカみたいなことを仕出かすなんて……はあ』
とデリクスは呆れたようにため息をついた。
それを聞いて
「この男の始末はどうしましょうか? 殺しますか?」
と聖は確認を取った。
それを聞いてデリクスは
『それよりもレミアールだ、逃げられた場所で勝手に種付けをされるのも困るんだが?』
と聞くと
「大丈夫ですよ、こいつら後で合流するって言ってましたし友達が戦ってる最中にそんな行為出来たら正直ドン引きですよ、それにあいつらにひそかに付けた性行をする可能性があるかを知らせる札も今のところ反応なしですし、ここから結構近いので」
と言ってデリクスを安心させた。
デリクスは
『そうか、それならいい、ところで聖、君らは今何をしている?』
と聞くと
「ン―――――!! んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!!」
と口をガムテで塞がれながら頭だけのサンニースは
「そっちに行ったぞ!! 猛!!」
「カモ―ン!! パスパス!!」
ドスドス!
「んぐうう!! んううぐううううう!!」
頭だけのサンニースの頭を蹴ってリフティングしながら
「へい!! ビレニア!!」
と言ってビレニアの方向に頭を蹴り飛ばした。
そして
「よっっと!! 次聖様ですよ!!」
「分かったよ! ビレニア!」
『本当に何してるの?』
「まあ昔私が教えたまりけりみたいなものですよ、それのサンニースの頭版です、血を吹きだすから滑りやすいですからテクニックが必要ですが、混ざります? こいつもあなたの婚約者の逃亡を手伝った罪と不法滞在の罪がありますが?」
と聞くと
『嬉しい申し出だが私は今忙しい、正直いけないことが悔しいが、まあいいさ、レミアールを奪った男を拷問して楽しむとするよ、そしてそいつは殺しても構わんからもっと苦しめてやれ、まあ一応レミアールの事もあるから程々にな』
と言った。
聖は
「了解です、では一通り楽しんだら仕事に戻りますね、こいつを殺してから」
と言って通信を切った。
そして
「聖様! パ―――ス!!」
と言ってビレニアは聖の方へと思いっきりサンニースの頭を蹴った。
「んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!」
とガムテで閉じられた口からうめき声を上げながらサンニースは飛んで行った。
聖はそれを見て
「おいおい、蹴り過ぎだよ、ビレニア、続かないじゃないか~」
「すみませーん」
そして、そのまま茂みの向こうへと飛んで行ったサンニースを見て
「今取って来るね」
と言って聖は首を追いかけた
すると
ゴギイイイイイイイイイイイ!!
と妙な音がした。
「?? 何今の音?」
気になり飛んで行った方へと向かうと
「おおおお……おおおおお……なんてこと、人を轢いてしまった、殺人を起こしてしまった、どうして……どうしてこんなところに人がいるんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
とリッチな服装のおじさんが泣いていた。
良く見るとさっきまで遊んでいた毬(サンニースの頭)が馬車のタイヤに潰されていた。
夥しい血が馬車に降りかかっていた。
普通に考えれば完全に殺人事件である。
だが聖はおじさんに言った。
「大丈夫です、おじさん、むしろすみません、こいつは処刑が許可されてたので殺してもいいんですがおじさんの馬車を血で汚してしまって」
と謝罪した。
それを聞いておじさんは
「そうだったのか、これは何をしたのかね?」
と聞いた。
聖はサンニースと呼ばれた男であることと不法滞在をして皆が登録するべき入国手続きや滞在手続き住民税を無視してこの国に勝手に家を建てて住んでいたこと、そしてあろうことか、この国と政略結婚するはずだった娘さんを撮った男と協力関係だったことを話した。
それを聞いたおじさんは
「そうだったのか、これが、そんなことを……」
おじさんは潰れた顔を見て
「ペエエ!!」
と痰をサンニースに吐き捨てた。
そして
「この糞が、汚らしい大罪人の血で私の高貴な馬車を汚しやがって、恥を知れ」
と言った。
続けておじさんは
「でも私はこのような屑の処理を出来て少しこの国の王とこの国の姫と結婚するデリクス様のために働けたことを誇りに思うことにするよ、それでもこの汚れた馬車についてはこの男を許すつもりはないがね」
と言った。
聖は
「大丈夫ですよ、この馬車は弁済させて頂きます、このお金をどうぞ」
と言って大金を渡した。
それを見て
「そっそんな!! こんなの貰えませんよ!」
と恐れ多いと聖に言った。
聖は
「デリクス様は他の住民に迷惑をこうむるかもしれないとお金を渡してくださいました、これはこの国未来のために使われ、そして住民のために使われる者です、むしろ愚か者の協力してくれてありがとうと言ってました。ね、デリクス様」
と言って札に向かって言った。
「?」
おじさんは少し分からないという感じであった。
すると
『その通りだ、その金は貰ってくれたまえ、ご苦労だった、御仁』
と言った。
「コっこれは! 本当にデリクス様の声! ありがとうございます!」
そう言っておじさんはそのままお金を貰った。
聖は
「ではこの馬車と子の死体の処分はしておきますので、申し訳ございませんが歩いて馬車を買って貰ってもいいでしょうか? 馬には血が付いていないのでこのまま使えると思います」
「良いんだよ、これぐらい、それでは私は」
と言って馬を連れておじさんは言った。
聖はサンニースの潰れた顔を見て
「さてと、サンニース君、私たちはちゃんと解放したよ、この世から君をね」
と言って死体の処理を3人とした。




